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がれきに第二の人生を!

みんな、「がれき」って知ってるかい?

1月26日、東日本大震災の津波によって流されたがれき木材を使って、作品を作るワークショップ「がれきってなぁに?」が行われた。講師は石巻市に住む木工作家の遠藤伸一さん。参加した子どもたちは、作品作りを通して、「がれき」について学び、震災について考えた。

遠藤さんは木遊木という会社を経営している。公園の遊具など大きなものから、拍子木、積み木など小さなものまで、いろいろな作品を手がけている。テイラー文庫の本棚や、女川町の「輝望の椅子事業」(※)では、子ども用イスの制作をしているのも遠藤さんだ。自分で作るだけでなく、大阪の支援者のご協力により、渡波小学校の卒業制作としてのベンチ作りでは指導もしている。
 遠藤さんは、木と人間は一緒だと考える。適材適所という言葉を大切にしていて、木工作品を作るときも木の長所や特性などよいところを最大限に生かすように心がけている。「がれき」を材料にしたワークショップを行うのは、東日本大震災のことを伝えたいからだけでなく、参加する人に、人間と森と地球がいっしょに暮していることを知ってもらいたいからだそう。森の木を切れば森が減り、空気が汚れ、地球温暖化が進むが、がれきを使えばその分だけ森の木は減らない。「捨てられるはずのがれきも、もともとは誰かの大切なものだったはずです。みんなでみがけば第2の人生を歩むことができるんです」と遠藤さんは言う。ワークショップに参加した小俣翔太郎さんは「がれきは捨てられるものですが、削ってまた使うのはよいことだと思います」と言っていた。
 遠藤さんは、木工作家という仕事を誇りに思っている。人の思いを形にすることができる仕事だからだ。遠藤さんは、東日本大震災で3人の子どもたちを亡くした。その悲しい気持ちを乗り越えるために、被災した人たちを支える活動などもがんばっている。遠藤さんは、被災した人たちが自立できるように、もちつきなどの交流会を開いている団体「チームわたほい」の代表でもある。がれきを通して震災のこと、地球の未来を考え、遠藤さんの思いと人柄にもふれることができた。

※女川産の木材で制作した子ども用のイスを平成26年4月1日以降生まれた子どもにプレゼントする事業

【取材・文】
阿部 匠之介(渡波小学校5年生)