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62人のありがとう 大街道小学校6年生62人より 私たちが震災に負けなかったこと

62人のありがとう

 石巻日日こども新聞創刊号は2つのテーマを持っている。一つは「石巻が今どんな様子なのか」、もうひとつは「今、私たちがどんな気持ちでいるのか」を全国のみなさんに伝えることだ。これは、たくさんの人に聞いてみたい質問だと思ったので、私たちが通っている大街道小学校6年生にアンケートをとることを考えた。私たちが震災に負けなかったことをみなさんに伝えたい。
質問1 今、あなたが全国のみなさんに伝えたいことはなんですか?

■支援物資を送ってくれてありがとう。励ましてくれてありがとう。
 ◇ランドセルを東京の方からいただきました。とてもうれしかったです。中に、ハンカチや文房具、手紙も入っていました。すぐに返事を出しました。今でも手紙のやりとりをしています。年賀状も届きました。困った時は手紙を書き、相談にのってもらいます。
 ◇日本中からいろいろな物が届きました。それを今私は使っています。どこかで大きい災害があったら、私もその人たちを助けたいです。
 ◇外国の人からノートや鉛筆をもらったので、びっくりしました。その中に日本語で書かれた手紙が入っていてうれしかったです。
 ◇服や靴や文房具など、日本や世界中さまざまな物が届き、手紙やメッセージなどもたくさん入っていました。復興したら、「今までありがとう」をメッセージにしたいです。
 ◇はげましの手紙をもらったので、返事を書きたいです。

■助けにきてくれてありがとう。

 ◇自衛隊が支援物資を届けてくれたり、校庭などのヘドロをとってくれたり、温かいお風呂を準備してくれて感謝しています。
 ◇日本の自衛隊以外に、外国からも来てくれました。ありがとうの気持ちを伝えたいです。
 ◇震災後まだ大きな余震が続いていたときに、炊き出しをしてくれた大学生の人たちに感謝したいです。温かい食べ物を食べることができなかったときだったので、作っていただいたとん汁とおにぎりは最高においしかったです。
 ◇ヘドロや割れたガラスや流れてきた物などが家の中にも外にも一面にあり、どこから片付ければいいのかと思っていたら、ボランティアの人が大勢来て片付けてくれました。本当に助かりました。
 ◇冬休みにボランティアの方々が来て、きゅうこんを畑に植えました。きゅうこんを用意してくれてとてもうれしかったです。
 ◇ぼくは、避難所にいた時、寒くて熱を出してしまいました。たまたま避難所に来てくれた愛媛県松山市の日本赤十字病院のお医者さんに診察してもらい、薬をもらいました。先生にありがとうを伝えたいです。
 ◇震災後、遠い所から来てくれて、学校や地域のために、たくさんの行事を開いてくれたみなさんに、ありがとうを伝えたいです。

■思っていてくれてありがとう。

 ◇何よりぼくたちを思っていてくれることがうれしいです。

■私達もがんばります。

 ◇ぼくは支援をしてくださったみなさんのように、ボランティアや募金などに積極的にとりくみたいと思います。
 ◇どこかで、もし、また震災があったら、自分の服や文房具を支援したいと思います。
 ◇もし、また私達のように困った人がいれば、今度は私達が応援したいです。それが今、私達にできるありがとうの伝え方だと思います。

質問2 どんな時にあるいはどんな点で復興が進んでいないと感じますか?

■街並み

 ◇壊れている建物や道路がたくさんあること津波にあった保育所や学校が建設されていないこと
 ◇まだ、がれきが残っている家を見たとき
 ◇小さな漁港に行った時、ひっくり返ったままの家がそのままになっていたこと
 ◇いろいろな所に流されてきた船がかたづいていないこと
 ◇門脇小学校の燃えたあと
 ◇山のようにつみあげられたゴミ
 ◇交通標識などが倒れたまま
 ◇ガードレールが直っていないところがあること
 ◇公園のがれきを見たとき

■場所による復興の差

 ◇一歩歩けば、壊れている建物が沢山あって、表通りと裏通りでは差が激しい
 ◇市の北の方はほとんど片づいているが、南の方はまだ片づいていない
 ◇海のほうにいくとまだ津波が来たときのままになっている
 ◇町の道路は震災前のように戻ったが、浜の方の道路は、まだ、でこぼこのまま
 ◇きれいになっている所もあるが、まったく手がついていない所もある
 ◇片付けた所と、片付けていない所では、住人の数に差がある

■人々の生活

 ◇仮設住宅に住んでいる人がいること
 ◇再開していない店がたくさんある
 ◇がれきが片づいていない所は、空気があまりきれいじゃない
 ◇ローンが残っていて家が建てられない
 ◇家を建てる土地がない

■こころ

 ◇テレビで地震や津波の影響があった人や建物を見たとき
 ◇震災で、家族や友達をなくした方たち
 ◇今でもがれきの跡を感じるとき
 ◇いつ来るか分からない大津波の対策をすぐにしてほしい
 ◇復興したところと復興していないところの空気がちがう
 ◇これからは一人一人気づいた所はじぶんから片付け、行動を起こす番だと思う
 ◇みんなの心がキレイになるのも復興の1つだと思う

 【大街道小学校の被災状況】
 6年生62人は、津波の後の一週間、近隣の避難住民たち約1200人と共に孤立した学校内で過ごした。小学校は海岸線から1・5㎞のところにあるが、2mを越える津波が襲い、水が引いた後も厚いヘドロに阻まれ、外へ出ることができなかった。救援が来るまでの間、近くのコンビニやスーパーからいただいて、大人たちが運び込んだわずかな水と食料を分かち合った。

大嶋 加津、木村 ひな子 (大街道小学校6年生)