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復興の灯台に〜 トレーラーハウス「エルファロ」

室内は明るくて快適

 宮城県女川町清水町は2011年3月11日の震災で約18メートルの大津波におそわれた。なにもかもを失ってしまった清水町。清水町には私の祖父母も住んでいた。実は、清水町は海から離れている。津波が来ると思わなかったのか、私の祖父母は避難せず、津波に飲まれてしまった。1年9か月が経ち、どこを見ても更地になった去年の12月27日、トレーラーハウスのホテル「エルファロ」がオープンした。なぜ、何もない場所にトレーラーハウスを設置したのか?トレーラーハウス設置者の一人である、女川町宿泊村共同組合の佐々木里子理事長に取材した。
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 名前の「エルファロ」は、スペイン語で「灯台」のこと。スペインにあるガリシア地方は、以前津波で壊滅したことがあるが復興した。そして、女川町のように水産業が盛んなのだという。
 佐々木さんは、女川町が好き。必ず女川町を元気にしたいと思ったから、女川町にエルファロを設置した。トレーラーハウスは、パステルカラーの黄色、水色、ピンク、緑色でとてもカラフル。今 女川町には色がない。だから、みんなが少しでも明るい気持ちになるようにパステルカラーにしたのだそうだ。
 震災後これまで女川町に宿泊所がなかった。「復興作業のみなさんや、家が津波で流されて女川町に帰ってきた時泊まる所がない地元の人にも泊まってもらいたい」と佐々木さんは言う。エルファロに宿泊した神奈川新聞の記者佐藤将人さんは、「外から見るとトレーラーハウスだと分かるのに、中に入るとまったく分からない。置いてある物も暖房も設備も普通のホテルと同じだ」と言っていた。
 震災から2年経って女川町はどう変わったかのだろうか。「町民が一丸となって、他の地域に比べると片付けの進みは早いと思う」と佐々木さんは言う。女川町の海で水揚げされた魚を運んでいるトラックを見た時に「女川町の風景が戻ってきた」と感じるそうだ。「子どもたちの元気が大人を動かす。親が落ち込んでいても、子どもたちの笑顔を見ると、大人も元気がでるから、子どもたちにはいつも笑顔でいてほしい。いずれ、子どもたちの時代になる。自分の町を担って動ける大人になってほしい」。みなさん、エルファロに泊まりに来ませんか?
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【エルファロ】
http://elfaro365.com

取材・写真・文:木村 ひな子(門脇中学校1年生)