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これからも石巻から外国へ

ロンドンで日本語を学ぶみなさん

 2013年3月10日、国際交流基金ロンドン日本文化センターの企画で「石巻日日こども新聞翻訳プロジェクト」が発足した。この日、イギリス在住の翻訳ボランティアのみなさん約40名が集まり、石巻の私たちとスカイプで思いを伝えあった。
 ロンドンと石巻の時差)は9時間。スカイプ会議は、日本時間の19時、ロンドン時間の10時から始まった。東日本大震災の被害状況の動画上映のあと、石巻日日新聞社の武内宏之常務がロンドンにメッセージを送り、石巻日日こども新聞の千葉拓人記者と私が、ロンドンのみなさんと日本語で意見を交換した。スカイプを通して対話することでお互いの気持ちが伝わった。みなさん、実に日本語がうまいし、理解のしかたも素晴らしい。震災の話を聞いて目に涙を浮かべている人もいて、日本人と同じように日本のことを考えてくれている。新聞のことだけでない日本についての質問もあり、日本に対して関心が高かった。
 このスカイプ会議の後、ロンドン側ではグループに分かれて、あらかじめ選んだいくつかの記事を翻訳してくれた。翻訳作業に参加した人たちからはさまざまな反響があった。このプロジェクトを企画した国際交流基金の福島青史さんは、「参加した日本語上級者は日本での生活経験もあるし、日本抜きには自分を語れない人たちです。震災後、日本の様子を心配し知りたがっていたので、彼らの思いを伝えたいと思いました。人間には他者の喜びや苦しみなどを感じとる能力があることを再確認しましたし、英国に日本に対してその気持ちを常に持ち続けている人がいることを改めて知りました」と話していた。今回のプロジェクトで翻訳された原稿は6月中旬にウェブサイトで公開する。是非、世界中の皆さんに読んでほしい。ニュースでは伝え切れない地域の話題、震災から今日に至るまでの状況を知ってもらいたい。そして今後は、より多くの言葉に翻訳されて、世界各国で読まれるような新聞にしていきたい。支倉常長がヨーロッパに旅だってから400年目の今年、このプロジェクトが誕生したことはとてもすばらしいことだと考えている。

取材・文・翻訳:齋藤 桃香(仙台育英学園高校1年生)