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みらいの金華山

こども記者が描いた「未来地図・石巻」

 今から1200年以上昔、聖武天皇は奈良に大きな大仏をつくるための黄金をさがしていた。しかし、そのころ日本では黄金が発見されていなかった。
 ところが今の宮城県をおさめていた陸奥守の百済王敬福という人が、ついに黄金を発見。聖武天皇はこれを喜び、記念としてつくられたのが金華山黄金山神社(以下、金華山神社)だ。3年続けておまいりすると一生お金に困らないと言われている。
 金華山は牡鹿半島の先に浮かぶ島だ。私たちは5月3日に再開したばかりの船に乗って、8月に女川から金華山へと向かった。金華山へは女川のほか、牡鹿半島の先にある鮎川から船が出ているが、震災前は毎日出ていたのに、今は日曜日と祝日だけになっている。
 私たちは「石巻に恋しちゃった♡」という、石巻の人が自分たちの特技を生かした体験プログラムのひとつとしてこの船に乗ったので、金華山ガイドの達人の持田耕明さんにガイドしてもらい、神社で特別にお寿司を食べることができた。
 島に着くと、松と楓がくっついて生えている「相生の松楓」という不思議な木や、お金を洗うとお金が増える「銭洗い場」などがあった。ヒルがたくさんいてこわかった。
 神社では、神主の大久保浩さんにお話を聞いた。震災では神社のかわらが落ちたり、灯ろうがたくさん倒れ、津波は赤い鳥居の横棒のところまで来た。まだ壊れたままになっているものがたくさんあった。島にはたくさんシカが住んでいるので、シカは地震のときどうだったか心配で聞いてみると、いっせいに山に逃げたけれど、その後は戻って来ているそうだ。また、植物を食べて大変だそうだ。
 これからの金華山をどういうところにしていきたいかと聞くと、「金華山だけでなく、女川や鮎川など地域が一体となって復興していくように願っている」そうだ。未来に残したいものをたずねると、「拝んでくれる人の気持ちや歴史のある建物を未来へ残していきたい」と言っていた。
 私たちはワークショップで「未来の石巻」をつくったとき、「未来の金華山」もつくった(図参照)。未来の金華山を舞台にした小説を書こうということになって、今回、実際の金華山を取材したけれど、イメージを膨らませることができた。それはこんな感じではじまる。
 「未来の金華山は、おさつの島で、たくさんのサバが住んでいる。島にはおさつのビルがあり、サバの中には金色に光る金華サバがいる。石巻と網地島、田代島、金華山を結ぶ『金華サバ列車』の線路は、海の上を走ったあと、海の中へとつづく。サバのアーチをくぐるときに金華サバを見つけた人は、幸せになることができるという」

取材・文・写真:小野 愛和(釜小学校4年生)、山田 唯歌(釜小学校1年生)、山田 暖歌(釜小学校4年生) 、菊田 陽菜(釜小学校5年生)