計算が苦手だ。工業高校で建築を学んだが、生まれ育った雄勝町の伝統芸能がきっかけで、今は岩手のとある文系大学で民俗学を学んでいる。
18年間過ごした宮城を離れ、一人で生活しているが、なんだかとてもこの環境が自分にあっていると感じている。
ここには歴史を感じる建物がたくさんあり、しかもきれいに保存されている。その周りの景観も整備されていて、時々建築された時代にタイムスリップした気分になれる。暇だな、となった時に、適当に散歩するだけで、いろんな景色を見ることができる。今では散歩が日課になった。
文学や伝統芸能を学ぶ上で一番大切なのは、現場に行くこと、とよく父は言っていた。大学の教授からもそう教えられている。岩手はまさにそれをするのに最適だ。
父の勧めでこの岩手に来たが、7歳まで過ごした震災前の地元・雄勝と似ているような不思議な感覚がある。なぜだろう。いろんな場所に行き新しい発見ができそうだ。
かんなぎ
神と交信をすることや、その役割を務める人を表す
阿部 洋都
盛岡大学1年生
平成15年宮城県石巻市雄勝町生まれ。小学5年生から石巻日日こども新聞の記者として活躍。阿部洋都さんの過去の記事はこちらからご覧いただけます。
https://kodomokisha.net/backnumber/article/ogatstu_kagura