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こども俳句部レポート「川柳ってなーに?」

千田康司さん(右から2番目)は活動によって名前を使い分けている。川柳の「木立時雨」は、本名の「ちだこうじ」を反対から読むと、「じうこだち」になるので当て字にしてつくった。アコーディオン演奏のときの「アルチュール千田」の由来は、お酒が好きだからだそう
千田康司さん(右から2番目)は活動によって名前を使い分けている。川柳の「木立時雨」は、本名の「ちだこうじ」を反対から読むと、「じうこだち」になるので当て字にしてつくった。アコーディオン演奏のときの「アルチュール千田」の由来は、お酒が好きだからだそう

川柳作家・千田康司さんにお聞きしました

石巻日日こども新聞では、2020年より、こども記者有志による「こども俳句部」という部活動を行なっています。4月23日、講師に川柳作家の千田康司さん(柳号・木立時雨)をお招きし「川柳ってなーに?」をテーマにワークショップを開催しました。

千田さんは、「宮城発!お魚川柳」(新葉館出版、2016年)という本を出している。宮城の魚を全国のみなさんに食べてほしいという思いからつくられた。千田さんの前職は、宮城県水産技術総合センターの所長で、宮城の海にどんな魚がどのくらいいるか、これから増えるか減るか、温暖化の影響が出ていないかなどを調べていた。
海や魚の仕事をしていたので、川柳では、魚に関する句や漁業についての問題を詠むことが多い。楽しいもの、聞いていてクスッと笑える面白い句などを詠む。千田さんにとって川柳とは、「コミュニケーションの手段」だそう。魚だけでなく、結婚式などの集まりで新郎新婦のために川柳を詠むこともある。
千田さんが気に入っているのは「向かい風 男にとって 晴れ舞台」という句だ。川柳を始めた頃に作った。向かい風は苦しいけれど、そこで頑張っている自分の心意気を表している。句を読んでいるときには、「面白い句をつくって、みんなが笑ってくれるとうれしいなと考えています」。
「宮城発!お魚川柳」に掲載されている、「ガザミから 学びシンクロ 立ち泳ぎ」という句は、カニは普通は泳がないのに、ガザミ(ワタリガニ)はなんで泳ぐのか?と考えていたら、ガザミがシンクロナイズドスイミングをしているように見えてきて詠んだ。英語を使った句もある。「友釣りで 釣られるは誰 WHO ARE YOU?」。「友釣り」と、「ARE YOU」をアユにかけている。
定年退職し、今は、新しく漁業をしたいという人のサポートをしている。サラリーマンをやめて、漁業を始めたい人に親方を紹介するつなぎ役もしている。「いままで長く水産業界にお世話になったので、これからも水産業を担う人がいなくならないように、いつまでも宮城の魚をみなさんに食べてもらえるように、恩返しをしたいと思っています」と千田さんは話していた。
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こども俳句部に参加したい方はinfo@kodomokisha.netまでご連絡ください。

取材・文
今野 ひなた
千葉 美琴
(蛇田中学校1年生)

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