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こども記者サポーターのみなさんありがとうございました!

30円の大きな1歩 らーめんえにし 角田 匡さん

 今号で休刊する石巻日日こども新聞は、11年の長きに渡り、多くのサポーターのみなさんからのご支援のおかげで発行が実現しました。感謝の気持ちを込めて、長年応援し続けてくださったサポーターのひとり、角田 匡さんにお話を聞きました。

角田さんは宮城県松島町の出身だ。18年前から、らーめんえにし(東京都品川区、戸越)を経営している。2011年の東日本大震災のあと、被災地で炊き出しをしたり、お店で寄付金を含むメニューを考えたりと、いろいろな支援を試みた。
震災の内側というデリケートな状態であるにも関わらず、こども記者たちの記事は、震災を伝えるということだけでなく、元気にあふれ読みごたえがあると思った。また、新聞として送られてくるので、毎号楽しみだったそうだ。
一番印象に残っている記事は33号の「大川小学校から未来へ〜震災が気づかせてくれた本当に大切なこと〜」(2020年3月11日発行、取材・文:齋藤 小枝)だそう。それは、震災当時、大川小学校5年生だった只野 哲也さんへのインタビュー記事だ。角田さんは、震災前の大川小学校のことを知っていて、特別な思いでいたので、心に残ったのだそう。
お店ではお客さんに寄付を募っている。内容はこども新聞のほかに、自然災害やウクライナ支援など世界中の困っている人のことを思って選んでいる。東日本大震災で支援活動を始めてから、困っている人たちのために寄付することが習慣化したという。
寄付の方法はこうだ。店内には冷蔵庫があり、ホームランバー基金の張り紙がある。「30円以上募金箱に入れてね!アイスはここだよ!!」と書
かれていて、常に3つくらいの募金箱が置いてある。どれに募金するかはお客さんが自分で決める。「ちょっとだけでも考えてほしいのです。考えて行動する。でも、ただアイスが食べたいだけでも全然OKですけどね(笑)。押しつけないように気をつけています」。特に、子どもたちが「アイス」という小さなきっかけから募金が習慣になることを願っているそうだ。
最近、材料や燃料の価格高騰で、お店の経営も大変になってきているが、創意工夫で乗り切ろうと頑張っている。お店のおすすめメニューはしょうゆラーメン。バラ、モモ、肩の3種類のチャーシューがのっている。自家製麵で、手間がかかる仕込みも多いが、楽しみながらつくることが大切だと話す。また、出身地・宮城への思いもメニューにこめている。みそラーメンには角田さんのお母さんの手づくりみそが使われているし、春には石巻十三浜の新わかめを使ったラーメンも作っている。
震災から12年という月日が経つ。少しずつ記憶や想いも薄れていく中で、細くても長く継続することに意味があるのではないか?考えるようになったそうだ。「お金の大小よりも、関心を持ち続けるために、石巻日日こども新聞への応援を継続してきたと思います」と角田さんは話していた。
角田さんはじめすべてのこども記者サポーターのみなさまに心よりお礼を申し上げます。

お店の看板メニューは醤油ラーメン。特製の3種類のチャーシューが味わえる
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みそラーメン、味の秘密は角田さんのお母さんの手づくりみそ
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店内で石巻日日こども新聞を読むことができる
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ラーメンを食べた後にホームランバーをたべて社会貢献できる
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HPはこちら
https://ramenenishi.com

取材・文
村松 玲里(蛇田中学校2年生)

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