だれ一人取り残さない社会を作るには?
東日本大震災の経験を共有しよう
5月11日〜12日、公益社団法人日本フィランソロピー協会が企画した「チャリティー・チャレンジ・プログラム」が石巻市・女川町で開催された。このプログラムは「だれ一人取り残さない社会を作るには?」がテーマだ。災害時には取り残される人が多いのではないかと、東日本大震災の被災地から学ぶため、宮城県内はじめ、福島、千葉、東京、熊本から、26人の中高生と大学生や企業ボランティアのみなさんが参加した。
まず、石巻市復興まちづくり情報交流館(石巻市中央二丁目)で、館長のリチャード・ハルバーシュタットさんから、震災当時の石巻の被害や、復興の状況、問題点などについて話を聞いた。次に、石巻日日新聞社が運営する石巻ニューゼ(石巻市中央二丁目)で、同社常務の平井美智子さんから、震災当時に制作された手書きの壁新聞をもとに説明を受け、災害時のメディアの役割について勉強。その後、大川小学校跡地(石巻市釜谷)で、大川伝承の会の佐藤敏郎さんに話を伺った。佐藤さんは「山は命を救いません。あの日の命は救いたかった命であり、救えなかった命です」と、災害時、自ら判断し行動する難しさを語り、この経験から未来を拓く必要があると強く訴えた。「未来をひらく」は旧大川小学校校歌のタイトルだったそうだ。
翌12日午前、女川町長の須田善明さんから女川町のまちづくりについての話を聞いた。須田さんは、震災で大きな被害を受けた女川町が、復興し明るい町になりつつあるという経験から、「どんなことがあっても必ず立ち上がれます」と中高生にエールを送った。
今回の成果を踏まえ、7月13日〜15日東京で100人の中高生が参加して合宿形式のワークショップが開催される予定だ。
【取材・文】
勝又 心帆(石巻中学校2年生)
四野見 英(石巻中学校3年生)
▲女川町長の話を即時に可視化!
グラフィック・レコーディング制作:工藤颯莉(東京学芸大学附属国際中等教育学校5年生)