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トミギ畑でつかまえて

トミギ畑でつかまえて

 読者のみなさんは自分のアイデンティティ、つまり自分自身について深く考えたことはあるだろうか。私が米国のグリネル大学に進学してついに4年目になったが、自分が何者であるのか、どう他人と違うのか、ずっと考えてきた。例えばジェンダーについて考える。大学に入るまでは、「女性」か「男性」か、みなどちらかの性別に「当てはまるものだ」と思っていた。しかし、性別は女と男の2つだけではないと気がついた。白か黒かではなく、グラーデションと同じように表現できるのだと。女性と男性、どちらも自分の性だと思う人もいれば、どちらにも当てはまらないと考える人もいる。どう他人に認識されたいか考え、その思いを伝えることを大事にし、受け入れることの大切さも学んだ。また、人種や国籍、文化についても考える。私は日本人であり日本は「アジア」に分類されるからアジア人でもある。しかし「アジア」と一括りにしても、その中にあるインド文化や日本文化、国外にも日系文化などある。今私が置かれた環境では、世界がいかに多様で、その多様性がどれだけ見えにくいものなのかを実感できる。あなたの住む場所にも、必ず多様な文化や考え方があるはずだ。その多様性を、改めて探してみてはどうだろうか。
 福島文遥|宮城県石巻市生まれ グリネル大学(米国)在学中

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