今学期、私はグリネル中学校で教育実習生として科学を教えている。14週間で、教えているのは8年生。日本の中学2年生だ。125人の生徒がいる。思春期真っ只中の生徒たちは、廊下で言い争いをしたり、自分のセクシュアリティを探ったりと、大忙し。そんな生徒たちを観察していると、時代の変化なのか、それとも文化の違いなのか、小さなカルチャーショックを覚える。8年前、私が石巻中学校で過ごした日々と比べると、雰囲気は大きく違う。一番びっくりしたことは、生徒たちが政治に大きく関心を持っていることだ。水筒にトランプ元大統領のシールを貼る生徒もいれば、Black Lives Matter運動で使われたロゴが入った服を着ている生徒もいる。グリネル中学校にはLGBTQ+クラブがある。生徒たちは同性愛について語ったり、トランスジェンダーであることをどうやって受け入れてもらえるかなどを熱心に話し合っている。一方で、意見や信念が異なる生徒たちは対立し、揉め事を起こすことが多々あった。多様な意見がある以上、分断が起きるのはグリネルだけではない。多様化する現代社会の中で、自分と違う考えを持つ人たちとどう共に生きていけるか、考えていくことが大切だと思う。
福島文遥|宮城県石巻市生まれ グリネル大学(米国)在学中