日本が大好きな私は、小学生のころのように、石巻で暮らすことをいつも夢見ていた。おばあちゃん、おじいちゃんと北上川沿いを散歩したい、夏に友達と川開き祭りに行きたい、海外に長く滞在すればするほど、日本への憧れが強くなっていった。そんな私にとって、2018年、高校を卒業する年の冬は人生の分かれ道だった。同級生の大半とともにアメリカに行くか、それとも長い間夢見ていた日本での学生生活を実現するべきか。そして決めた。
私の決心には大きな理由がある。それはグリネル大学がリベラル・アーツ・カレッジだからだ。リベラル・アーツとは日本語で教養のこと。2年生の後半までに専攻を決めればよい。まだやりたいことがわからなかった私には、特定の学部を受験する日本の大学よりもリベラル・アーツ校の方が適していると判断した。入学してから1年半、数学、日本文学、経済学、フランス語、韓国語、ポルトガル語などの授業を受けた。
最初、生物化学のみを専攻するつもりだったが、何気なく取った教育学の虜になってしまった。今は教育学を副専攻にしたいと考えている。
今、19歳。将来どこで何をするか全くわからない。一つの分野にとらわれず様々なことに挑戦し、夢中になれるものを見つけたい。自分で枠を作らなければ、可能性はいくらでも広がっているのだ。
福島文遥