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ポケふたと震災遺構 東松島方式で街の復興

この企画では東日本大震災で被災した宮城県沿岸部15市町にあるポケモンのマンホールのふたと震災遺構についてレポートします。

ラティオスはブルーインパルス?

東松島市のポケふたには、宮城県応援ポケモンの「ラプラス」と、むげんポケモンの「ラティオス」が描かれている。ラティオスは伝説のポケモンで、腕を折るとジェット機を越えるスピードが出る。なんとなくブルーインパルスに似ている。
ブルーインパルスは航空祭などでアクロバット飛行を披露する航空自衛隊の専門チームで、東松島市にある宮城県松島基地に所属している。ラティオスはなかなか見つけられないポケモンだが、自分に似ているブルーインパルスがたくさんあったから東松島市を訪れたのかもしれない。このポケふたはJR仙石線野蒜駅にある。

当時の様子が残された大きな駅舎

2005年4月1日、当時の桃生郡矢本町と鳴瀬町の合併によって東松島市が発足した。同市では、東日本大震災で1110人が亡くなり、今も23人が行方不明のままだ。
JR仙石線の野蒜駅は高台に移転し、震災遺構となった旧野蒜駅には、今も線路とホームが残されている。駅舎は東松島市震災復興伝承館として活用され、2階に当時を振り返る映像、1階に地域を知ることができる展示などがある。職員の坂元 良徳さんは「いざというときのために、災害に対する意識を常に持つことが一番大切です」と話していた。
みなさんは東松島方式について知っているだろうか。被災した地元住民を雇用し、徹底した分別作業を実施した結果、がれきを他の地域に持ち出さず、リサイクル率97・6%を達成した東松島市のがれき処理実績のことだ。これにより、同市のがれき処理は、想定費用を208億円下回リ、廃棄処理単価の安さは県内トップになった。この方式は国内外から高い評価を受けた。

現在の野蒜駅は高台に移転したが看板はかつてのまま
現在の野蒜駅は高台に移転したが看板はかつてのまま
被災したJR仙石線旧野蒜駅。ホームと線路の一部が残されている
被災したJR仙石線旧野蒜駅。ホームと線路の一部が残されている

取材・文・写真
阿部 壮汰(渡波小学校4年生)
阿部 匠之介(渡波中学校3年生)

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