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声で人を元気にする仕事 〜声優〜

10月13日、14日の2日間、「石ノ森萬画館×感伝祭2018」が、石巻市と東松島市で開催された。「感伝祭」は、東日本大震災の被災地域の復興支援のために、2012年から東京で行われてきたイベント。7回目となる今年は、日本俳優連合の協力のもと、初めて被災地(石巻市・東松島市)での開催となった。たくさんの声優たちがイベントに駆けつける中、高山みなみさんと山口由里子さんにお話を伺うことができた。

高山みなみさんと山口由里子さんにお聞きしました

高山みなみさん

「名探偵コナン」の「江戸川コナン」役やジブリ映画「魔女の宅急便」の「キキ」役など数々の作品に出演している。実は、高山さんの子どものころの夢は、なんと、「警察官」。警察官になるため、お芝居の要素を身につければ、子どもたちや相手がもっとよく話を聞いてくれるのではないか?というアドバイスを受け演技の勉強を始めた。芝居を学んでいくうちに、なんにでもなれる声優という仕事に魅力を感じ、この道を選んだ。
壁にぶつかることはないという。「壁があったら、のぼるのか、くぐる隙間をさがすのか、横をすり抜けるのか、助走をつけて飛び越えるのか、とにかく、壁の前で悩まないようにしています」
高山さんといえばやはり「コナン」だ。役との出会いは縁だと言う。どんな役も自分と似ているところがあるが、なかでもコナンは、一番似ていると感じる。「名探偵コナン」の声優メンバーはとにかく仲良しでまるで家族のよう。感伝祭を石巻で、という話も最初にコナンのメンバーに相談した。震災後から年に数回石巻を訪れている。復興支援は自分から探しに行かなければ分からない、石巻の人たちが前向きに生きていることを多くの人に知ってほしい、と思っている高山さん。この感伝祭では多くの人に「石巻の今」を伝えることができたと思っている。
「石巻の魚はとてもおいしい。特にクジラがおいしいですね!これからも、ときどき遊びに来るので、皆さん仲良くしてくださいね」と元気をくれた。

山口由里子さん

「ONE PIECE」の「ニコ・ロビン」や「新世紀エヴァンゲリオン」の「赤木リツコ」役で有名な山口さん。もともとは舞台俳優になるために大阪から上京した。エヴァンゲリオンのオーディションがあり、見事合格。声の仕事が増えていき、当初は複雑な気持ちもあったが、今は声優という仕事が大好きだという。「声優の仕事の中で、国内外のイベントに出かけることがあります。私は観客を前にする『ライブ』が好きなので、たくさんの人に会えて幸せです」
山口さんは、現在出演している作品「ON
E PIECE」の中で好きなシーンが2つある。1つ目はオハラでの幼いロビンと母、ニコ・オルビアの別れのシーン。普段は「ニコ・ロビン」役だが、このシーンはロビンの母を演じた。2つ目は空島へ行く前のジャヤでのワンシーン。モンブラン・クリケットの「それでこそ!!“ロマン”だ!!!!」というセリフが好き。
東日本大震災の時、報道を見てとても悲しく、すぐにでも行きたいと思っていた山口さん。やっと来ることができてうれしいと言う。街の復興が進んでいる一方で、壊れたままの空き家がまだまだある現状を自分の目で見ることができ、離れたところにいるともう7年と思うが、まだ7年なのだと感じたそうだ。「震災を忘れず、石巻のみなさんに寄り添いたい人はいっぱいいます。私もいつも何かをしたいと思っています。ぜひまた来たいです」と話していた。

声優を目指す子どもたちにメッセージ

高山 みなみさん
普段大切にしていることはよく食べてよく寝ること。そして、健康でいること。声優の仕事を誇りに思っています。

山口 由里子さん
喉を痛めてしまうと声が変わってしまうので、風邪を引かずに喉を大事にすることを心がけています。体力も必要。腹筋、背筋は欠かせません。

【取材・文】
阿部 匠之介
(渡波小学校5年生)
遠藤 海槙
(稲井小学校5年生)
村松 鈴音
(石巻高校2年生)
村松 玲里
(蛇田小学校4年生)

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