いしのまきは日日新聞社に到着した。
魔物「来たな。」
女の子スパイしおり「あなたがシャルダね。」
クリル「いいや、おれはシャルダさまの手下クリルだ。シャルダさまは、今さっき帰ったところだ。」
女の子スパイいずみ「あなたたちが6才以下の子どもたちに凶暴になるあめを配ったんでしょ。」
クリル「そうだ。」
女の子スパイきらり「なんで?」
クリル「町を恐怖のどん底に陥れることで、おれさまたちの言うことをきかせるためだ。」
女の子スパイのぞみ「ひどいことするのね。」
クリル「悪いが、それが仕事だ。またあめを作らないといけないから失礼する。」
女の子スパイしおり「だったら、私たちと戦ってからにして。」
クリル「はっはっは。おまえらなんか、イチコロだ。仕方ない。相手してやる。」
女の子スパイまお「私たちを甘く見ないでよ。」
女の子スパイきらり「エメラルドパーンチ!」
ムニョムニョム…パーン!なんだか変な音!
クリル「なかなかやるな。でも、まだまだ。」
女の子スパイのぞみ「強いじゃない。でも、私たちはあなたのこと、絶対倒せるわよ。」
クリル「ずいぶん強気だな。今度はこっちから行くぞ。ミネラルウォーター…じゃなかった、ミラクルウォーター!」
ブシャーッツ!液体パンチでみんなびしょぬれに。
女の子スパイまお「きゃあ!」
女の子スパイしおり「まだまだ!」
女の子スパイいずみ「今度はこっちの番よ。スペシャルキーック!」
ウァンウァンウ…グバーッ!ドシャーッ!どどーん!
クリル「うぉー!お、おまえらは強すぎだ。くやしいけどおれさまの負けだ。凶暴になった子どもたちは明日の朝には元に戻る。」
ばたっと音を立ててクリルは倒れた。
みんな「やったー!私たち、初めて魔物を倒したー!」
おやおや?遠くの方でクマリフトが叫んでいる。
クマリフト「クマ〜!」
いしのまき「リフト〜!」
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いずみ「あれ、なんで私たち、ここにいるんだっけ?」
しおり「ほんと。どうしたんだろう?」
のぞみ「帰ろう!」
まお「そうだね!」
きらり「大変!宿題終わってないよ〜」
記憶がもうないみたいだ。
こうして女の子スパイたちの活躍によって、町の平和は守られたのだった。
【おしまい】
この物語は、2012年の夏休み、こども記者が宿泊した旅館大沼(宮城県大崎市東鳴子温泉)にあった小型エレベーター「クマリフト」がすごく気に入った子どもたちの想像力が膨らんで誕生しました。作者の山口莉子さんが小学4年、挿絵は酒井理子さんが小学5年の時に制作したものです。
【文】
山口 莉子(仙台第三高校1年生)
【挿絵】
酒井 理子(石巻西高校2年生)