南海トラフ巨大地震にそなえて
東日本大震災の被災地を応援するため、酪農王国オラッチェ(静岡県)で行われるチャリティイベントが「被災していない僕たちが頑張る!」だ。2011年から毎年、3月11日ごろに約40もの飲食店が集まって開催される。売り上げを東日本大震災の被災地に送り続けている。
石巻日日こども新聞は、2015年から、「被災していない僕たちが頑張る!」の義援金をいただいていて、さまざまな使い道を提案している。昨年は、震災で合併存続しなければならなくなった石巻のスポーツ少年団の新しいユニホームをつくるために使われ、大変喜ばれた。今回は、静岡県からFCレアーレに所属する11人の小学生が、女川町で開催された2019コバルトーレ女川サマーキャンプU10に招待されることになった。これは、スポーツ交流の目的だけでなく、震災のことについて学び、彼らが住んでいる静岡地域で起こると予測されている南海トラフ巨大地震への意識を高めるためでもある。
コバルトーレ女川は女川町をホームタウンとする東北社会人サッカーリーグ1部所属のサッカークラブ。女川町は、人口6,500人ほどの町。海に面していて漁業が盛ん。震災前の人口は約10,000人で、死者・行方不明者数の割合が各自治体の中で最も高かったところだ。
このサマーキャンプは静岡の他に埼玉、仙台からもチームが参加し、2泊3日で練習試合とトーナメント戦を行った。また、女川町観光協会のスタッフから、震災当時の話を聞き、女川の街に残っている震災遺構である津波で横倒しになった女川交番などを見学した。
参加者の岡田 昊大さんは、「大きな被害が出たので、二度と起きてほしくないです」、内田 ありささんは「いつ起こるか分からないので備えておきたいです」と話していた。保護者の土屋さんは「東日本大震災の映像を見て他人事ではないと感じました。もっと具体的に対策を考えていきたいです」、監督の三好 言さんは「南海トラフ巨大地震を見据えて、非常袋や避難場所、家族との連絡の取り方を考え直したいと思いました」と気持ちを引き締めていた。
「被災していない僕たちが頑張る!」の主催者である小川 正道さんは「僕たちの活動で、笑顔の連鎖が生まれ、みなさんの力で大きな輪になりました。もっと大きくなって多くの人が笑顔になったら最高ですね」とうれしそうに話してくれた。
被災していない僕たちが頑張る!のみなさん、ありがとうございます!
【取材・文】
山内 友結(女川中学校1年生)