さんま1万尾に大行列!
女川に秋がやってきた
2018年9月30日、第21回おながわ秋刀魚収獲祭2018(女川魚市場買受人協同組合主催)が宮城県女川町で開催され、多くの人が訪れた。「おながわ秋刀魚収獲祭2018」は、女川のさんまのおいしさを全国に発信するために1997年から毎年開催されている。東日本大震災があった年、2011年も規模を縮小して行われた。実は、女川町の町の魚は「かつお」なのだが、さんまのほうが水揚げ量が大きいので、さんまで女川を盛り上げようということになったのが始まりだ。
今年の収獲祭では、1万尾の炭火焼きと、4千杯のつみれ汁が無料でふるまわれた。「無料は女川の心意気です。でも、今年からは募金制にして、集まったお金を海難遺児と、震災の時に国内外から女川町が受けたご支援への恩返しとして、災害被災地に送ることにしました」と第21回おながわ秋刀魚収獲祭2018実行委員長の阿部 喜英さん。「女川のさんまがおいしいことを知ってほしいです。たくさんの人に来てほしいですね」と話す。
今年は、台風24号が近づいたので事前の対応に苦労した。町外からの問い合わせもたくさんあった。「去年は2万5千人が訪れました。今年は、台風と重なったので、1万人ぐらい来てくれたらうれしいです」と阿部さんは前日に話していたが、実際には約1万2千人が訪れ大変なにぎわいを見せた。女川町の人口は約6千人。その2倍の人たちが集まった。
1万尾のさんま炭火焼きは数十人のボランティアの手で焼いた。石巻市から来た千葉さんは「去年より大きくておいしそうです。焼くときのコツ?目が白くなって、おなかの部分が焦げてきたらひっくり返します。けむりが大変です」と教えてくれた。水泳のゴーグルをつけて焼いているボランティアの人も。午前9時前からさんまを求める人々が列をつくった。
女川小学校6年生の東海 銀之介さんは「無料で、おいしくて、うれしいです」とさんまを味わった感想を話す。女川町在住の鈴木 舞子さんは「女川のビッグイベント。毎年楽しみにしています」同じく女川に住む齋藤 成美さんは「女川の良さを知ってもらういいきっかけです」とうれしそう。栃木県から来た渋井 寛之さんは「今日は8時前に家を出ました。魚がおいしいから女川が大好きです」と話していた。
この日、女川町を拠点にしている社会人サッカーチーム「コバルトーレ女川」の選手たちも炭火焼きボランティアに参加した。神奈川県出身の選手、宮坂 瑠さんは「今年で2年目になりました。女川での生活はすごく楽しいです。地域のみなさんと親しくなれたので、来て良かったと思っています」。
東松島市出身の選手、冨澤 雅文さんは「ホーム戦のチラシ配りもさせていただきました。たくさんの人に試合に来て応援してほしいです」と話す。コバルトーレ女川の運営ボランティアで富谷市から来た大沼 直也さんは「なにか自分にできることをしたかったんです。ずっと続けていきたいです」ととてもうれしそうだった。
女川ファンが急増中。来年はみなさんも一緒に、女川でおいしいさんまを食べませんか?
取材・文
山内 友結 (女川小学校6年生)
鈴木 御代 (女川小学校6年生)
小俣 渓志郎 (大曲小学校5年生)
写真
木村 ひな子 (東北福祉大学1年生)