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親子で学ぼう!女川のいま

東日本大震災から8年8カ月が過ぎました

 

11月10日、「 親子で学ぼう!女川のいま」(主催:石巻日日新聞社)が開催され、25人が参加した。東日本大震災により大きな被害を受けた女川町の今を視察し、親子で一緒に学ぶことが目的だ。

石巻市からバスで女川へ。女川湾クルージング、女川魚市場の見学、女川駅前シーパルピア女川でショッピングを楽しんだあと、東北電力女川原子力発電所と女川原子力PRセンターを見学し、最後に地元のかまぼこメーカー高政・万石の里で笹かまぼこの手焼き体験をした。
東北電力女川原子力PRセンターでは、エネルギーについて考えた。日本のエネルギー自給率は約9%。少ない順にイタリア(22%)、ドイツ(37%)、フランス(54%)、イギリス(67%)、中国(80%)、アメリカ(88%)。100%を超えるのはカナダ(170%)、ロシア(188%)。
東北電力は、電力を安定して供給するために、安全の確保を大前提に、原子力、火力、再生可能エネルギーなどをバランスよく組みあわせて発電する「エネルギーミックス」の実現が必要だと考えているそうだ。参加した保護者は「子どもたちに、女川という町と原子力発電所のことを知ってもらいたくて参加しました」と話していた。
主催した石巻日日新聞社の小暮広行さんは「今年で3回目です。女川町は街のほとんどが津波で流出しましたが、8年半でどのように復興したかを実際に見てほしいと思いました。来年以降も開催するのでたくさんの人たち参加してほしいです」と話していた。


▲女川駅はウミネコが飛ぶ形


女川を救ったあたたかいかまぼこ

泉田さんがコバルトーレ女川のゴールキーパーとして女川町に来たのは2008年。そして、株式会社高政に入社した。仕事はかまぼこづくり。東日本大震災の時は休憩中だった。急に地鳴りがして地震が起きた。そのあとはたいへんだった。幸い工場は津波を逃れた。食べるものがなくて困っている人たちがたくさんいた。「停電でした。東北電力の発電車が来て、その電気でかまぼこを作り、できたてのかまぼこをトラックに積んで避難所に運びました」。泉田さんはたくさんの人たちにかまぼこを配った。温かいものが食べられないでいた人たちがとても喜んでくれた。みんなを笑顔にできたことが今でも忘れられない。泉田さんは2016年に引退したけれど、家族と一緒に女川に残ることにした。コバルトーレ女川でコーチとして、次世代を育てている。


▲女川名産笹かまぼこ。焼く前は真っ白。


▲人々を笑顔にした 泉田圭太さん

【取材・文・写真】

千葉ふうな(大街道小学校5年生)
松川美桜(二俣小学校3年生)

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