記事詳細

赤ちゃんに初めての本をプレゼント

ブックスタートで絵本が身近に

 

石巻市は、乳幼児3〜4カ月児検診にあわせて、ブックスタート事業を行っている。8月9日、20人をこえる赤ちゃんが、読み聞かせボランティアによる初めての絵本を楽しんだ。

ブックスタートとは、赤ちゃんに絵本の読み聞かせを行うことだ。検診の待ち時間を利用して、一家族ごとに、読み聞かせボランティアが保護者に読み聞かせの方法を説明した後に行われる。絵本を通じて楽しい体験をすること、親子の心のふれあいのきっかけづくりが目的だ。
石巻市でブックスタートが始まったのは平成22年。読書活動推進計画で「乳幼児(赤ちゃん)検診時における読書活動の推進」を掲げた。石巻地区(旧石巻市)と牡鹿地区は石巻市保健相談センター、河南・桃生地区は河南母子健康センター、河北・雄勝・北上地区は河北総合センター・ビッグバンで、赤ちゃんの検診に合わせてブックスタートを行っている。
今回、絵本の読み聞かせを行った奥津良江さんは、市教育委員会からのお知らせでボランティアの募集を知った。それまで小学生に読み聞かせ活動をしていたのだが、赤ちゃんの読み聞かせをぜひやってみたいと思ったという。今は、一カ月に2~3回の頻度でボランティアをしている。始めたころは緊張したが、すっかり慣れた。赤ちゃんの読み聞かせで気を付けていることは、様子や反応を見て、ゆっくりとわかるように読むことだそう。
奥津さんは、震災直後のブックスタートのことが忘れられない。しばらくの間、乳幼児検診が中断されていたので、受診できなかった赤ちゃんが一気に検診に訪れ、対応するのが大変だった。「赤ちゃんへの読み聞かせを始めたおかげで、赤ちゃんとの接し方も分かってきました。若いお母さんたちにも、読み聞かせボランティアに加わってほしいです」と話す。
佐藤珠羽ちゃんは、4人姉妹の末っ子。だから、お母さんは、4回目のブックスタートだ。家では、お姉さんたちが珠羽ちゃんに絵本を読んであげている。みんな絵本好きに育った。
石巻市教育委員会のブックスタート担当者は、「これからもブックスタートを続けていきたいです。今、絵本を読んでもらっている赤ちゃんたちが大人になった時に、読み聞かせの大切さを広めてくれるような、よい循環を作っていけたらと思います」と語った。


▲ブックスタートでは、絵本のほかに、絵本リストも配られる

【取材・文】
阿部 真花(石巻中学校2年生)

Copyright (C) Kodomo Mirai Kenkyusho. All Rights Reserved.