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震災後の人々の気持ちを哲学から研究

石巻で考えるからわかる

 

奥堀亜紀子さんは、石巻でフィールドワークをしながら、哲学の研究をしている。なぜ、フィールドワークの場所に石巻を選んだのか、哲学とは何なのかについて取材した。

みなさんは「哲学」を知っているだろうか。哲学は、みなさんが知っていると思っていることを、さらに詳しく考えることである。例えば、お化けや魔法のことなどを考えるのもそう。人は死んだらいなくなってしまう。この世に残された人たちは、亡くなった人のことを思うと悲しい。そこで、その悲しさを何とかしようと、人間はお化けや天国などを生み出したのではないかと奥堀さんは考えている。
奥堀さんは、子どもの頃から考えることが好きだった。「哲学を学ぶと、物事を論理的に話したり、組み立てたりできるようになります」
奥堀さんは、イスラエルのエルサレムで、人間の死について研究した哲学者・ウラジーミル・ジャンケレヴィッチについて1年間学んだあと、2017年8月、石巻に来た。東日本大震災の後、人々がどのように過ごしているか、震災で亡くなった多くの人たちのことをどんな風に考えているのかを、震災を体験した人々に聞いて研究するためだ。最初、石巻に来た時は、震災後、多くの人が移り住んでいる蛇田地区で活動していたが、今は震災の被害が大きかった湊地区などで活動している。震災という大変なことがあったにもかかわらず、石巻の人々はとてもあたたかい心を持っていることが分かったそうだ。
「哲学を研究していると話すと堅苦しい人だと思われますが、抜けているところもあって、のほほんとしているんです。これからも石巻に住んでフィールドワークを続けます」と研究に対する熱意を語った。

【取材・文】
阿部音莉(万石浦中学校3年生)
三浦夢来(万石浦中学校3年生)

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