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青空に笑顔満開

来年も再来年も続く春のおとずれ

2019年4月20日、若生工業株式会社(石巻市清水町)庭園で、写真撮影会が行われた。これは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が、2012年1月から行っている東日本大震災の被災地復興支援活動「みんなの笑顔プロジェクト」。石巻市では今回が初めての開催だ。約30人の参加者たちは、写真家のかとうまさゆきさんに教わりながら、満開のチューリップや桜を一眼レフカメラで撮り楽しんだ。

今から30年ほど前のこと、若生工業株式会社の先代社長がテニスコート横にチューリップを植え始めた。それが、今では70種類以上の花が咲きほこる庭園になっている。東日本大震災の時、庭園を含め社屋全体の1階部分が、4日間、津波の水につかってしまった。桜は、その年は咲いたが、7本のうち5本が枯れた。今では切り株だけが残っている。土はすっかりだめになってしまったが、入れ替えて、また花々が咲くようになった。
今回、撮影指導をした写真家のかとうまさゆきさんに撮影のポイントについて聞いた。分からないことがあれば必ず調べると言う。「どうして地面に、咲いたままの桜の花が落ちているのだろう?と思った時は、何時間も観察して、ヒヨドリが茎をちぎり、蜜を吸う様子を見つけました」と教えてくれた。インターネットで調べた情報が間違えていることもあるので、必ず自分の目で確かめる。「大人は美しく撮ろうとか、かっこよい写真を撮ろうとしてしまいますが、子どもは興味があるものしか撮影しないから、感性がそのまま作品になりすばらしいですね」とかとうさん。
参加した矢本東小学校5年生の山本大晴さんは「いっしょに参加した友達と、お互いが撮った写真を交換したら喜んでくれたのでうれしかったです」と話す。参加した保護者からは、企業の特徴を活かしたイベントでプロの話を身近で聞くことができ刺激を受けたという声が聞かれた。企画したキヤノンマーケティングジャパンの前田幸博さんは、「28回目になりました。天気と花々の開花時期に恵まれ、みなさんの最高の笑顔を見ることができました」と笑顔で語っていた。

【取材・文】
村松 玲里(蛇田小学校5年)
千葉 ふうな(大街道小学校5年生)

▲ヒヨドリがつまんだ桜(撮影:山内友結)

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