2025/07/01
鶴田 優喜子 黒田 陽愛 櫻井 幸雅
昭和56年6月10日に設立された大丸カイエイ株式会社は、宮城県石巻市に拠点を置き、水産部と鉄鋼部の2つの分野で地域とともに歩んでいます。社員数はわずか5名ながら、それぞれが高い専門性を持つ少数精鋭の企業です。
社名は、旧「大丸水産」と「海栄舶用」の合併によって誕生し、「大きく丸く海が栄える」という理念を象徴しています。漁業を支える人々のために、常に「自分たちができることは何か」を追求しています。
大丸カイエイの水産部門が誇る自社ブランド銀鮭「桜銀」は、代表取締役社長 大森博行氏によって名付けられた逸品で、日本で約200種あるうちの一つのご当地サーモンです。従来の銀鮭にあった臭みや寄生虫の問題を克服し、刺身で食べられる品質を実現したお刺身専用銀鮭です。良質な餌と汽水(井戸水)によるこだわりの養殖法により、全国の市場でも高い評価を得ています。
また鉄鋼部門では、漁業用のオーダーメイド養殖イケスを設計・製造しており、水産業を多面的に支えています。
未来を担う子どもたちに向けて、「魚のつかみ取り体験」などのイベントも積極的に開催。実際に生きた魚に触れ、捕まえ、食べるという一連の体験を通して、命の大切さや食のありがたみを伝えています。
魚が苦手だという子どもも自分で掴み取った魚を「おいしい!」と言ってキレイに完食していました。
こうがさん:刺身で食べられる銀鮭はどのように養殖しているのですか。
大森さん:工夫している点は水と餌です。水は地下水を汲み上げて寄生虫が寄り付かない環境を整備しています。餌は人間が食べられるレベルの美味しいものをあげて育てています。
ゆっこさん:刺身で食べられる銀鮭をつくるキッカケを教えて下さい。
大森さん:銀鮭は春から夏までしか生食で食べることができません。それを1年中食べることが出来ないかを考え試行錯誤しました。現在は関東や関西地方のホテルに卸しており、個人への販売はしていません。
ひなさん:さまざまな魚の養殖がある中で、なぜ銀鮭を選んだのでしょうか。
大森さん:私が生まれた旧志津川町は日本で初めて銀鮭養殖を行った発祥の地です。私の父が養殖に取り組み、私で2代目となります。
★この取材は「自然探検くらぶにっか」の活動の一環としておこなわれました。