海は変わる
〜私たちは自然とともに生きていく〜

2024/04/11

取材したこども記者

酒井 朱理

おいしいけれど売れにくい魚が「未利用魚」と呼ばれていることを知った。私が住む石巻地域にはどんな未利用魚があるのだろうか。海や川の環境に詳しい川のビジターセンターで佐藤満利さんにお話を聞いた。


佐藤満利さん

川のビジターセンターは、東日本大震災のあと三陸復興国立公園に指定された石巻市北上地区にある。人々が自然と共生し、楽しく自然を知るための活動をしている。佐藤さんは、センターを訪れた人に川のビジターセンター周辺の自然や環境について教えたり、週末は、「自然体験プログラム」というイベントで、自然観察、沢あそび、種まきから収穫までの農作業をしたり、石窯でピザを作ったりしている。夏には白浜海岸で地引網のイベントも手伝っている。

「地引網を通して、古くからの漁法を体験し、この辺りの海にはどんな生き物か実際に見て知ってほしいです。そして、自分でとった魚を調理して食べてみて、魚屋さんには並んでいなくてもおいしい魚がいっぱいいることも知ってほしいです。また、魚と一緒にゴミもついてきたりするので、海にもゴミや環境問題があるんだなとわかってもらえるといいなと思います」地引網では主に、ヒラメ、カレイ、ガザミなどのカニ類、アジ、サバ、スズキ、イシモチ、エイなどいろいろな魚が取れる。取れる魚は毎回違う。満潮・干潮などの潮の流れ、北上川の河口なので、雨が降ったあとなど天気の様子、その時によって違うそうだ。今まででみた一番珍しい魚は「キス」。細長い魚、いそうでなかなかいない。天ぷらにして食べるととてもおいしい。地元の人によると、昔はいたようだが、最近見なくなったそうだ。

「東日本大震災では、津波で海の中がかきまぜられてきれいになったのか、直後、アカモクがたくさん生えていました。陸だけでなく海の底も70センチから80センチ地盤沈下したと言われています。調べたわけではないので、自分の感覚の話になりますが、カジメという海藻の茎が伸びてアワビがいる根元の岩が見やすくなった気がしました。海底が地盤沈下したので、日光を浴びるためにカジメの丈が伸びたのではないかと思っています」と佐藤さんは話す。

地盤沈下の影響は海だけでなく、河口にもあり、川の石に海の海藻が生えているのも見たそうだ。「津波だけでなく、温暖化により海の環境が変わっていると思います。例えば、タチウオは関東より南で取れていた魚ですが、今、とても増えています。6〜7年前は秋サケがいっぱい取れましたが、今は少なくなりました。」映画「ファインディング・ニモ」に出てくるようなシマシマでカラフルな魚が取れることもあり、佐藤さんは海は変わったと感じているそうだ。

白浜海岸での地引網のようす

海や川の環境は変化するので、普段食べている魚がとれなくなったり、代わりに他の魚が増えたりすることがわかった。とれる魚が変わると調理法も変わるのだろうか。次回は、魚の調理法について取材をしてみたい。

【取材】酒井 朱理(石巻小学校4年生)

こども記者:

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