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ゆうみとわたし

▲主人公は同世代。でも同世代には思えないその感情をどのように表現するかが課題だった

「春をかさねて」の主人公のゆうみは私が演じました。

私は小学校5年生から演劇を始めました。北海道から石巻に引っ越してきた時、同い年の友達が作れる機会になるだろうから、と母が勧めてくれたのです。以来、母と一緒に「スイミーはまだ旅の途中」という劇団に所属し、演劇活動を続けています。なにも考えずに役と対話ができることが演劇の魅力だと思っています。

2018年に開催された劇団の公演後、見に来ていた佐藤そのみさんが、直接声をかけてくださいました。映像作品の経験はなかったので、挑戦してみたいと思いました。

舞台では、時間の流れが一方通行で止まることはありませんが、映像を作る際には、撮る順番も時間もバラバラで連続していません。その場ですぐにそのシーンの感情を作らなければならなかったことが舞台とは大きく違い、非常に難しかったです。

撮影当時私は中学3年生。私が演じた「ゆうみ」は中学3年生の設定で、同い年です。ゆうみは、かつて経験したことがないいろいろなことが一気に襲ってきて、私だったらとてもたえられないような状況を、一人でかかえ、ずっと踏ん張っていて、同世代とは思えませんでした。まるで、中学3年生らしくしていてはいけない、と思っているかのように感じました。そのような感情を繊細に表現できるよう演技に集中しました。

 

 

 

齋藤 小枝

 

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