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ポケふたと震災遺構

若者が進める新しいまちづくり

 

女川町の震災遺構「旧女川交番」。鉄筋コンクリート造の建物が津波で倒れたのは日本では初めての事例であり、また大規模な津波によって倒壊したものは世界的にも少なく希少率が高い震災遺構となっている。

 

還暦以上は口出さずで町の再建

 

東日本大震災は、女川町の当時の人口の約8・3%の尊い命を奪い、被災地最大の人的被災率となる大きな被害をもたらした。困難を乗り越えて、女川復興連絡協議会が発足し、世代や業界の垣根を越えた地域の絆で復興へと街づくりを進めている。

女川町では「還暦以上はまちづくりに口を出さない」と決めたそうだ。シーパルピア女川にある鮮魚店「おかせい」で働いている木村和彦さんは今年70歳。震災の時は60歳だった。震災時、石巻市内で仕事をしていた木村さんは、石巻小学校に3日避難し、4日目に女川に帰ってきたが、道路も街もなくなっていた。10年経った女川では、若者が頑張っていてうれしいと言う。震災の後、鰹がとれなくなり、最近ではさんまの収穫量も減った。そのかわりにぶりやさわらなど温かい海の魚が定置網に入るようになった。海の変化を感じている。

 

キャモメといっしょに
海を旅するラプラス

 

女川町のポケふたには宮城県応援ポケモンの「ラプラス」とうみねこポケモン「キャモメ」が描かれている。女川町の鳥は「うみねこ」だ。

キャモメは全身60㌢、うみねこは50㌢ぐらいだから、実際の鳥より少し大きい。クチバシはうみねこと同じ黄色で先の方が黒。でも、うみねこのクチバシにある赤いはん点はキャモメにはない。キャモメの名前は「うみねこ」の「ねこ」を英語の「キャット」にし、「キャ」と、かもめの「か」を交換したものだ。

ラプラスは海を泳いでいて、多勢のキャモメと一緒に朝日の前に進んでいる。キャモメは大空を飛ぶために骨が軽くできていて、大きなつばさで舞い上がることができる。このポケふたはシーパルピア女川の女川町まちなか交流館の前にある。

 

 

女川町
人口
6,258人(令和3年1月31日現在)
東日本大震災による人的被害
827人(平成27年3月1日現在)

 

 

取材・文・写真
阿部 壮汰
(渡波小学校2年生)
阿部 匠之介
(渡波中学校1年生)

 

 

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