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4人のミュージシャンから石巻の子どもたちにみらいをつくるためのメッセージ

歌づくりのワークショップでのライブ風景

 6月30日、石巻市内で開催されたセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの子どもまちづくりクラブで、「まちhねお思いを込めた歌」を作るワークショップが開催された。石巻の子どもたちの歌作りのために、石巻に来てくれた4人のミュージシャンのみなさんにお話を聞いた。
 吉田美和さんは、3歳ごろから歌を作って歌っていくんだなとぼんやり思っていた。小さい時から心の中に「大勢の前でステージに立って歌っている女性」のイメージがあって、それが自分だとわかっていた。でも
将来の夢について、小学校の卒業文集には「科学者になってタイムマシンを作る」と書いていた。なぜなら、まわりにわかってもらえるかどうかわからなかったので、「歌手にならなければ何になりたいか」を考えて書いたそうだ。
 中村正人さんは、ボーイスカウトに参加していて、土日休みがなかったし、学校に行くのが嫌だった。最初、将来の夢はサラリーマンか歴史の先制だったけれど、音楽に出会い、中学時代から今もずっと続けている。
 JUONさんは、「活発で電池の切れない子」とよく言われていた。バスケットボールのプロになることも考えていたけれど、小学5年生からギターを始めていて、ミュージシャンである両親の影響もあって、ギターでプロになろうと思い15歳でデビューした。
 中澤信栄さんは、お父さんが力士だったが、お相撲さんにはなりたくないと思っていた。もともと音楽や絵を描くのが好きだったから芸術家になろうと思い美大に進学。ところが、1996年9月26日のスティーヴィー・ワンダーのコンサートを見て、「うわたわなきゃいけない、自分の音楽ができると」と思った。
 シンガー・ソングライターという言葉の「シンガー」とは「歌う人」、「ソングライター」は「歌を作る人」だから、「シンガー・ソングライター」は、その両方を一人でする人のこと、と吉田さんが教えてくれた。ミュージシャンは音楽を仕事とする人で、コンサート、ライブ、ツアーをしたり、CDを作ったり、音楽配信をしたりして、音楽からいろいろなものをジェネレート(=生み出す)する。
 ミュージシャン、シンガー・ソングライターのどんなところにやりがいや大変なことがあるのか聞いてみた。
 吉田さんは、ライブをもう何百回もやっているけど、いまだにライブが始まったことき、舞台の上から会場のみんなの顔を見ると、「わーっと、うれしくてうれしくて涙が出る。とても言葉に表せない気持ち」と話してくれた。
 JUONさんは、大変なことは最初からわかっていることだし、大変なことをやりとげると前に進めてやりがいもある。大変大変と言っていてはいけないと思っているそうだ。
 中澤さんは、最初に買ったCDがドリカムとTM NETWORK(ティーエムネットワーク)で、そういう人たちと今一緒に仕事ができていたり、自分がミュージシャンになるきっかけをくれたスティーヴィー・ワンダーに会うことができたり、夢みたいなことが起こるところにやりがいを感じている。
 CREATH THE FUTURE(クリエイト・ザ・フューチャー)のプロジェクトソングになっている「想像を超える明日へ」はどんな想いで作ったのか、中村さんと吉田さんに聞いてみると、「どんなことがあっても力強く前を向いて旨を高鳴らせながら未来へ踏み出すそんなイメージを音楽で表現したい」と思い作成したのだそうだ。
 最後に、中村さんから石巻の子どもたちにメッセージをいただいた。「石巻の子どもが、どれだけ日本を、世界を勇気づけたか知ってほしい。石巻の子どもたちの情報、写真や映像がどれだけ人々をインスパイア(=刺激)し、勇気づけ、気が付かないことに気づかせてくれていることか。石巻の子どもたちに、こちらがありがとうと言いたい。」

取材・文:千葉 拓人(東松島高校2年生)、松浦 美充(住吉中学校3年生)

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