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ケンブリッジについて

ケム川を下るパンティング

 ケンブリッジ市は、英国イングランド東部にあるケンブリッジシャーの州都。学都として栄えているだけでなく、IT企業も多く「英国のシリコン・バレー」の意味で「シリコン・フェン(※)」とも呼ばれている。13世紀にケンブリッジ大学が創立されて以来の建物と街並みが現役で、歴史的な雰囲気が感じられる。
 ケンブリッジといえばケンブリッジ大学、と考える人も多いだろう。しかし、ケンブリッジ大学の建物は存在しない。実は、市内にある31の「カレッジ」が集まって「ケンブリッジ大学」と呼ばれている。
 「カレッジ」とは、勉強をする場所であるだけでなく、学生が生活する寮でもある。女子カレッジがあったり、芸術の分野で優れていたり、カレッジにはそれぞれ個性がある。各カレッジには専属の庭師がいて、美しい庭園作りを競いあう。カレッジだけでなく街中に樹木や植物、芝生がたくさんあり、全体が緑豊かで美しい。春には日本に負けないほどきれいな桜が咲き誇り、人々は花見を楽しむ。
 ケンブリッジを観光するならケム川をボートで下る「パンティング」がおすすめ。船頭さんの説明を聞きながら名所を見て回ることができる。「ケム川に架かる橋=ケンブリッジ」と地名の由来になっている多くの橋には歴史を感じることだろう。「数学」という名のユニークな橋もある。
 すてきなお店もたくさん。メッセージカード専門店には驚くほど多くの機会に対応するたくさんのカードが陳列されている。カードで気持ちを伝える文化が感じられる。歴史的な街並みは車に不向きな面もあるので、人々の移動は徒歩や自転車が多い。学生も学校へは自転車で行く。車は禁止なのだとか。
 日本のものも人気があった。日本語を話すアダムさんは、「日本語はクール(かっこいい)。話してみて!」と頼まれるそうだ。日本のアニメや歌、アーティストも人気がある。でも、一番はやはり和食。あちらこちらに寿司(日本人から見ると「創作寿司」の感じ)店があり、駅のコンビニでも購入できる。
 ケンブリッジは自分たちと異なったものを受け入れる街。外国人や異文化に親しみ、街に生かしている。だからケンブリッジには、たくさんの文化があふれている。
※「フェン」は「湿原」の意

【取材・文・写真】村松鈴音(石巻高校1年生)

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