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防災で大切なのは自分の身を守ること

石巻小学校の防災備蓄倉庫には約900食の食料と1000本の飲料水が備蓄されている

 東日本大震災の時、食物アレルギーがある人たちは食べることにとても困っていた。この経験から非常食についてどんなことを学ぶことができたのだろうか。石巻市総務部防災推進課の大野裕司さんと、危機対策課の木村伸さんにお話をきいた。
 震災前、アレルギー食の備蓄はなかった。震災の時は食料そのものが不足していて、食物アレルギーがある人への対応はとても難しかったそうだ。食料や物資は、震災発生から4日後に石巻市の総合運動公園に集められ、各避難所に振り分けられた。多い時で1日に8万食もの食料を配ったそうだ。初日は、1人1食がやっと。1週間後あたりから2食になり、1ヶ月後にようやく3食になった。震災発生から1週間たって、市の栄養士が各避難所を回りアレルギーの人がどれだけいるかを調査し、アレルギー対応食品を取り扱っている業者に支援物資の依頼をして届けた。
 震災後、石巻市が備蓄している食料は3倍に増えた。市が指定している避難所に置いてある。食べやすさや味なども考え、種類も変わったそうだ。現在の主な備蓄食料はおかゆとようかん。この2つは食物アレルギーがある人にも大丈夫。缶に入ったパンも備蓄している。パンはやわらかいので、ちぎって分け合うこともできる。石巻市役所本庁舎や各総合支所には赤ちゃんのために粉ミルクも備蓄している。
 石巻市は各家庭でも食料や飲料水を準備してほしいと市民に呼びかけている。防災はまず自分の身を守ることが基本。自分たちで備えておくことが大切だ。

【取材・文・写真】酒井圭佑(石巻小学校4年生)

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