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土はどこからやってくる?まちづくりに欠かせない土木の仕事

重機やトラックは修理や部品の交換もたいへん

 東日本大震災後、被災地沿岸部の多くの場所に土の山ができている。地面をかさ上げして、津波の対策 をするためだ。この土はいったいどこから運ばれて来るのだろうか?株式会社センショウ・テック.(東松島市牛網)で取材した。
 センショウ・テック.は、道路や堤防を作るための土木工事を行う会社だ。社員の8割が大型トラックや重機の免許を持っている。2011年の東日本大震災では社屋1階が浸水し、県内8箇所にあった工事現場はすべて津波の被害を受けたが、社員は全員無事だった。震災の翌日から、重機でがれきの撤去作業を行なった。
 「まず、道を作ることから始めました」と土木工事部部長の三浦龍太さん。がれきを撤去して道を作り、少しずつ復旧作業が進み、まちづくりの計画ができて、道路や堤防を作るために「かさ上げ工事」が行われる。津波で流されてしまった場所に土を積んで高くするのだ。でも、この「土」はどこから運ばれて来るのだろうか?
 東松島市新田地区の同社の山砂切り出し現場にやってきた。あたり一面土の山。「ここも昔は山でした」と社長の千葉裕博さん。どうやって山を土にするのだろう。「まず、山の土を調べて、かさ上げするための盛り土に向いているかどうかを調べます。次に、計画を立てて、地域のみなさんに同意してもらってから、市、県、国に許可をもらいます」。それから工事が始まる。
 木を切って、表面の土を取り除き、土のかたまりを掘り起こして大型ブルドーザーでなんども踏んで細かくする。細かくなった山砂を大型ダンプで現場に運ぶ。センショウ・テック.は、認可を受けてから4年半で東京ドーム1・42杯分の土を山から切り出したそうだ。千葉さんは「台風や雨で土砂が流れ濁った水が近所の田んぼなどに入らないように気をつけながら作業を進めています」と教えてくれた。

【取材・文】小俣 渓志郎(大曲小学校4年生)・小俣 翔太郎(矢本第二中学校1年生)・齋藤 暖都(赤井小学校6年生)・龍田 一輝(赤井小学校6年生)・龍田 侑樹(赤井小学校4年生)・西 宏夢(釜小学校4年生)

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