記事詳細

みんなで食べるともっとおいしい|みんなの集いの場「おしるこカフェ」

みんなの集いの場「おしるこカフェ」

今年5月に全線再開したJR仙石線に乗って仙台に行った。あすと長町仮設住宅の集会所で毎月行われている「おしるこカフェ」を取材するためだ。

 「おしるこカフェ」を開いている下山浩一さんはNPOコミュニティアート・ふなばしの代表。震災翌年の1月から、毎月、千葉県でおしるこを作って仙台まで通っている。
 震災の年に仮設住宅を訪れたとき、仮設住宅の人が主役になるイベントが少ないと思った。最初はうまくおしるこをつくれなかったけれど、仮設住宅の人たちに教えてもらって、だんだんうまくなった。「最初はおしるこだけでしたが、途中から『ずんだもち』を作ったり、石巻のはぜを使った『仙台雑煮』を作ったり、『芋煮』(いずれも宮城県の郷土料理)を作ったりするようになりました」と下山さん。復興住宅にうつった人がうまく近所づきあいできるようにこれからも「おしるこカフェ」をつづけていきたいと言う。
 元自治会長の飯塚正広さんは、「仙台では、もう3000戸の復興住宅が完成しました。あすと長町には3棟の復興住宅があり、327世帯が住んでいます。みんな、いろいろなところから引っ越して来ていますが、仮設住宅の人がいっしょに入れるように仙台市にはたらきかけました」と話す。その結果、80世帯がいっしょに引っ越すことができた。復興住宅は広くて住みやすいところだと言う。
 復興住宅に住んでいる藤沢匠子さんは「おいしいものはみんなで食べるともっとおいしくなります。こういう場所があってうれしいです」と言っていた。

【取材・文・写真】西宏夢(釜小学校2年生)・阿部晃希(蛇田小学校5年生)・西彩奈(釜小学校6年生)

Copyright (C) Kodomo Mirai Kenkyusho. All Rights Reserved.