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世界がわが家 アメリカで響け!ぼくの太鼓

撮影:渋谷敦志

 2015年6月、あしなが育英会とヴァッサー大学(米国ニューヨーク州)の主催で、日本、アメリカ、ウガンダの子どもたちが一緒に公演する「世界がわが家」が米国で開催された。僕は、日本から最年少の出演者として参加した。
 「世界がわが家」は、子どもたちを励まし支援する活動だ。ヴァッサー大学コーラス部、東北和太鼓隊、あしながウガンダ寺子屋のシンガーとダンサーが出演した。東北和太鼓隊は、東日本大震災で被災した宮城県沿岸部に住む子どもたちを中心に、小学校6年生から大学生までの東北地方の子どもたち22人で結成。あしながウガンダ寺子屋とは、親をエイズで亡くし学校に行けないウガンダの子どもたち60人が勉強している場所のこと。今回はこの子どもたちが、ウガンダ伝統のダンスと合唱に挑戦した。僕たち東北和太鼓隊は、2曲の太鼓演奏と群読「ねがい」で津波の教訓を伝えた。
 僕は、2014年9月GLAY EXPO 2014(※1)に参加するために、太鼓を始めた。それが「世界がわが家」に参加するきっかけになり、今回、初めて海外に行くことになった。6月3日、ニューヨークに到着、小説「あしながおじさん」の著者ジーン・ウェブスターの母校でもある緑豊かなヴァッサー大学で、4日、出演者たちは初めて顔を合わせ、本番直前まで合同練習をした。
 8日にヴァッサー大学のマーテルシアターでミニ公演。僕が通う石巻市立雄勝小学校には、法印神楽(※2)クラブがあって、3年生の時から参加している。人前でのパフォーマンスには少し慣れているので、公演ではあまり緊張しなかった。
 でも、時差もあり毎日あまり眠れなかった。ミニ公演の翌日、ウガンダの子どもたちと3時間もサッカーをした。他の国の子どもたちと一緒に遊ぶのは初めてで言葉が通じないけど、気持ちが通じてとてもうれしかった。ウガンダ語の発音は、日本語に少し似ていて、子どもたちは日本語をすぐに覚えてくれた。この日はとてもよく眠れた。
 いよいよ10日、ニューヨークのローズシアター、12日、ワシントンのワーナーシアターでそれぞれ公演が行われ、大歓声の中、スタンディングオベーションを受けて終了。お客さんの笑顔が見ることができて感動した。またぜひ参加したい。
※1 アーティストGLAYによる東北復興支援イベント
※2 宮城県石巻市雄勝町に古くから伝わる神楽。

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