2025/09/11
阿部 壮汰
阿部 竜ノ輔
2025年7月26日(土)、親子で学ぶ「ふるさとの海とエネルギーの旅2025」(主催:石巻日日新聞社)のバスツアーが行われ14組28名が参加し、東北電力新仙台火力発電所(仙台市)と仙台うみの杜水族館を見学した。
新仙台火力発電所は東北電力で5番目にできた火力発電所だ。2011年の東日本大震災で発電所は大きな被害を受けた。2号機は同年10月に廃止、1号機は12月に復旧したものの、後に廃止となったため、津波、地震対策ができた3号系列を始動した。3号系列はガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインド発電にした。これにより発電効率が上がり、CO2排出が軽減され環境と経済性の両立が実現された。
火力発電に使う燃料の液化天然ガス(LNG)は、-162℃に冷やすと元の大きさの600分の1になる。その性質を生かして、政治の安定している国から輸入している。輸入船を取り入れる桟橋には最大315mの船まで入るそうだ。船からLNGを移したら、気圧管理でガスに入れ替える。タービン本館の壁は2階までコンクリートでできていて電気設備が直接津波に当たらないよう対策していた。東日本大震災後、施設を津波から守るため、3.3mの防潮堤のほかに、5mの盛り土を作った。盛り土の上には植栽が24種類あり、大きく育てば森になるように配慮されている。

東北電力 新仙台火力発電所 写真提供:石巻日日新聞社
発電所の佐藤公次さんは、「新仙台火力発電所は天気によって発電量を調整しています。原子力発電所をはじめとする各発電所は毎日、電力を安定して皆さまにお届けするために頑張っています。また、コンバインドサイクル発電や燃料を天然ガスにしたことによりCO2の排出を少なくするようにしました。節電はできるところまでで、無理せず、電気をうまく使ってほしいです」と話していた。

さまざまな発電の実験もおこなった。太陽光発電は蛍光灯ではうまくいかなかった
三陸の海は世界三大漁場と呼ばれている。三陸の海は親潮と黒潮が交わるところで、海のいきものが豊富に取れるからだそうだ。しかし、近年の地球温暖化の影響で海の中で季節がなくなり、もともと南の温かい海に生育していたいきものが増えたり、海草が減り、養殖にも支障が出ている。だから、仙台うみの杜水族館では、松島湾内で二酸化炭素を吸収するアマモの生育状況を調べる取り組みや、イルカやペンギンの繁殖にも取り組み、私たちがこれからもずっと海のいきものを見られるように努力している。
仙台うみの杜水族館副館長の安部奏さんの一番のおすすめは大水槽のイワシ。「イワシは、食べたらおいしいだけでなく、見ると美しいので、ぜひ見に来てほしいです。」急激な水温の変動で漁業者が養殖ができなくなってしまうことをとても心配している。「自分の近くにある海や川に興味をもってほしいです。身近ないきものを知って、地域の自然環境を意識してほしいです」と話していた。

25,000尾のイワシのダンスはすごい。マイワシの寿命は7~8年。意外に長生きする魚だ
今回見学した東北電力新仙台火力発電所と仙台うみの杜水族館で共通している目標は、CO2排出を減らすこと。水温が上がったことでもともと三陸の海にいたいきものが北上してしまうことや、海の中の二酸化炭素を吸収したり、いきものの隠れ家となっているアマモが減少していることがわかっている。安部副館長と一緒に説明してくれた東北電力の大石絵未さんの出身地、福島県相馬市は、海のいきものが豊富。大石さんは、ふるさとの海でとれる魚が変わってきていることをとても心配している。環境の変化をもっと身近な問題として自分たちになにができるかを考えていきたい。
【取材・文・写真】 阿部 壮汰、阿部 竜ノ輔(渡波中学校1年生)