2025/09/11
千葉 美琴
村松 玲里
2023年11月、みちのく八雲会の主催で小泉凡さんの講演が石巻で行われた。小泉凡さんは、日本に古く伝わる怪談話を世界に広めた小泉八雲の曾孫にあたる。取材が終わった後、「いつか島根で取材ができるといいですね」と言ってくれた。この秋始まるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」では、八雲の妻・小泉セツが主人公のモデルになっていることもあり、私たちはその機会が巡ることを心から願っていた。そしてついに今夏、島根へ取材をしに行くことができた。
2023年の記事はこちらからご覧ください。
小泉八雲記念館がある松江市は松江城があり、歴史にあふれた街だ。木製の鯱鉾の大きさが日本一の松江城は、国宝に認定されてから今年で10年を迎え、たくさんの観光客で賑わっている。お堀を屋根のついた船で回る堀川遊覧船では、歴史と自然を感じながら松江の街並みを見ることができる。もともと家老のお屋敷だった松江歴史館では、築城や松江の歴史について詳しく知ることもできる。さらに、少し足を延ばせば、出雲大社(出雲市)がある。旧暦10月には全国の神々が集まり、人々のご縁についてなどを会議すると言われているため、縁結びの神社として有名だ。

小泉八雲記念館
小泉八雲記念館は、1934年に開館、2016年にリニューアルし、多くの観光客が訪れる観光名所の一つである。小泉凡さんが館長だ。歴史的な街並みの一角にあるこの施設は、2階に分かれており、1階では常設展示で八雲の人生や八雲の書いた怪談の朗読を聞くことができ、現在、企画展「小泉セツ~ラフカディオ・ハーンの妻として生きて~」の第二期(2026年9月6日まで)が行われている。2階には八雲の著書や関連書のあるライブラリーもある。記念館に隣接する小泉八雲旧居では、ふたりがどのような暮らしをしていたかを実際に見ることができる。

小泉八雲旧居は記念館とともに松江の歴史的街並みのひとつになっている
「小泉セツ」展を企画した小泉八雲記念館の小泉祥子さんは、2024年は小泉八雲が亡くなって、また、『怪談』が出版されて120年の記念の年だったので、特別な企画をしたいと考えた。それなら、小泉八雲の最高のアシスタントでもあった妻、セツしかいない、と思ったそうだ。「セツさんを紹介することにより、その向こうにいる小泉八雲が見えてくるのではないかと思いました」と話す。

小泉八雲記念館 学芸企画ディレクター 小泉祥子さん
通常、企画展は2年程度前から準備を始める。準備を進めている最中で、NHKの発表の3日ぐらい前にドラマ「ばけばけ」(小泉セツが主人公「松野トキ」のモデル)のことを知り、とても驚いたそうだ。ドラマはあくまでフィクションだが、それを楽しみつつ、小泉八雲のことについて、小泉セツのことについて、深く知ってもらうきっかけになればうれしいと言う。「小泉セツは普通の主婦でした。ただ、日本が変わる激動の時期にいた人でした。西洋人と結婚し、たくましく、生き生きと生きていきます。そして、現代の私たちが必要としている考え方、生き方を知る、朝から元気がもらえるドラマになるのかなと想像しています」と小泉祥子さん。
「ばけばけ」は一見変わったタイトルのようだが、江戸時代から明治時代に時代がばけていく、時代に翻弄されながら、セツ自身も人生の節目を乗り越えてばけていく、そして、八雲とふたりでおばけの物語をつくったなど、いろんなものがばけていくという意味が込められている、と教えてくれた。
■小泉セツ ラフカディオ・ハーンの妻として生きて 第2期
現在開催中2026年9月6日(日)まで
小泉八雲記念館 松江市奥谷町322
■NHK朝ドラ「ばけばけ」9月28日(日)スタート
【取材・文】千葉 美琴(石巻好文館高校1年生)、村松 玲里(石巻高校2年生)
★この取材は株式会社システィーナのご協賛により実現しました。心よりお礼を申し上げます
★取材全体の内容は石巻日日こども新聞第47号(2026年3月11日発行)に掲載します