2025/08/11
阿部 匠之介
7/31と8/1に第30回NIE全国大会神戸大会が神戸ポートピアホテル、甲南大学岡本キャンパスで行われ、多くの関係者が参加した。NIEは「News In Education (教育に新聞を)」の意味。日本新聞協会の主催で毎年開催されている。
分科会「全ての学校に新聞データベースを!〜環境整備は大人の責務〜」では、灘中学・高等学校の公民科教諭の池田 拓也さん、司書教諭の狩野 ゆきさんが発表した。
池田さんは、「灘中高は東大、京大を目指す生徒がたくさんいますが、視野が狭い子がかなりいます。そんな生徒たちに新聞を通してかっこいい大人の存在に気づいてもらい、教育を社会とともに行う接着剤にしたいです」と新聞を使った授業の目的を説明した。灘高は神戸にあるものの、地域に密着した活動が少なく「東大京大専門学校」になっていると感じている。「灘中高を神戸にある灘中高にしたい」と地域とのつながりを大切にしてきた池田さん。そのために、外部取材をして情報を集め、新聞で深掘りし、ポスター発表をする、という探求活動を行ったり、経済についての講義を聞き、自らの問いを深掘りして動画を作るFESコンテストへ参加したりしたそうだ。
探究活動は神戸についての問題であるため、地域を知ることに繋がり、取材やポスター発表を通じてコミュニケーション能力をあげることもできた。池田さんはこの授業について「なんぼでもサボれる授業だし、なんぼでも頑張れる授業」と話す。「グループによっては最初からバンバンやってどんどん進むとこもあるし、熱が入るのは遅いけどしっかりと質の高いものを作るグループもあります。子どもたちが取り組みやすい環境にするために、インタビューのサポートなど、いつでも生徒が熱中できるようにしています」と池田さん。
生徒の間での熱量の差はあるものの、それぞれの個性を尊重して取り組んでいる。また、先陣を切るファーストペンギンの役割を担う生徒と周りに聞こえる声の大きさで会話し、取り組み方の一例を提示することもしていたそうだ。池田さんは最後に「子どもたちが取り組みやすくなるためには、とっかかりが大事で、それを見せてあげることが大切です。そして、子どもがいつでも熱中できる環境を整え、神戸の灘中高をこれからも作っていくために尽力します」と話していた。

分科会のようす
ポスター会場には多くの発表があり、にぎわっていた。こどもみらい通信社を運営するこどもみらい研究所は「もっともっと子どもたちの声が聞こえる社会へ」と題したポスター発表を行い、2025年3月11日に発刊した「石巻日日こども新聞第46号」を来場者に配布した。

ポスター会場のにぎわい

こどもみらい研究所のポスター前にて来場者と多くのコミュニケーションができた
<取材後記>
分科会、ポスター会場にて、たくさんの新聞関係者と話すことができるいい機会となった1日だった。新聞紙でバッグをつくる活動「しまんと新聞ばっぐ」インストラクターの高村 典子さんによると、8月28日(木)に宮城県仙台市でワークショップがあるそうだ(会場:河北新報社、要予約)。石巻日日こども新聞第46号のバッグが手に入るかもしれない。
こども記者:阿部 匠之介