南半球にあるブラジルでは、クリスマスが近づくにつれて日差しが強くなり、気温も上がっていく。私のブラジル生活は残り半年となった。12月の「夏休み」が終われば、高校はあと一学期で卒業だ。私はアメリカと日本の大学を受験する。友達の中にはブラジル、イギリス、韓国などの大学を目指す人もいる。今回は私が通うアメリカンスクールの受験事情について紹介する。
アメリカの受験システムは日本と異なる。日本では学部を決めて受験するが、アメリカの多くの大学では、入学した後に学部を決める。また、日本では入学試験の結果で合否が決まるが、アメリカの大学に入学試験はなく、成績やエッセイ、推薦状などの書類で合否が決まる。高校での活動や、リーダーシップなどがとても重要となる。
アメリカの多くの大学は、1月1日までにエッセイや成績表を送らなければならない。10校受験する私は、10個のエッセイに追われている。加えて学校のテストや宿題、SAT(※)などの通常の勉強もある。この時期はストレスがとても多く、泣く人が出たり、イライラする時間が増える。
こんな時こそ、私は課外活動に集中する。ボランティアで学校の壁のペンキ塗りをしたり、子どもたちと遊んだりしているときはストレスを忘れることができるし、将来やりたいことを再確認できるからだ。「世の中の役に立つ仕事をするために、希望の大学に入りたい」と思うと、頑張ろうという気持ちになれる。
私の学校には、大学に受かると男子は髪を剃り、女子は腕や顔などにメッセージを書くという伝統がある。私も早く大学生になりたい。将来の夢が叶えられるよう、今年受験をするみんなと一緒に頑張りたいと思う。
※アメリカの大学受験時の学力テストのこと。
【取材・文】福島 文遥(The GRADED American School 12年生|サンパウロ|ブラジル)