5月の卒業式が終わって、ブラジルでの高校生活が幕を閉じた。それと同時に、3年間住んでいたサンパウロとお別れするときがきた。
思えばあっという間だった。来てすぐは、話せないポルトガル語に困惑し、治安が悪いという噂に不安を感じながら暮らしていた。しかし、ブラジルの魅力を知れば知るほど、1日でも長くここにいたいと思うようになった。
私が思うブラジルの魅力は、自由なところだ。例えば、服装にあまり気を使わなくていいところが好きだ。つかれている日はジャージにビーチサンダル、遊ぶ日は派手な柄の服を着て出かける。自分が自分でいられる場所だ。歩く速度もみんなちがい、おしゃべりをしながらゆっくり歩く人もいれば、颯爽と歩くサラリーマンもいる。また、オープンな人がとても多い。レジの列で待っている人と話をしたり、コンサートの会場で初めて会った人と連絡先を交換したり、たくさんの出会いがあった。
私は、アメリカの大学に進学する。こんなすてきな国を離れるのは悲しいが、ブラジルで人と話すことの楽しさを学んだように、アメリカでもまた新しい楽しさを学びたい。
「Tudo Bem?〜みなさんお元気ですか?〜」今号で終了となります。
【取材・文】福島 文遥(The GRADED American School12年生 サンパウロ|ブラジル)