石巻市内には24の郵便局がある。その一つが「網地島郵便局」だ。網地島で出会ったリック・ミッケルソンさんと妻の美智枝さんは網地島で農業を営んでいる。網地島の魅力について聞いた。 石巻から船で約1時間のところにある網地島。自然に恵まれた美しい島だ。山には背が高い木々が生えており、空気がとてもおいしい。海は透き通るように青い。
アメリカ人のリックさんと妻の美智枝さんは、この大自然に惹かれて網地島に移住し、約300人が暮らす網地島で唯一八百屋を営んでいる。店の名前は「みんなの808」。キュウリやジャガイモ、網地島特産のサツマイモなどを育てている。全てオーガニックで、農薬や化学肥料を一切使わない。除草剤も使わないため、雑草を抜いたり刈ったりしなければならず、とても手がかかる。しかし、農薬や化学肥料を使わない土は微生物が元気で栄養があり、安心安全な野菜が育つという。
2人はアメリカに住んでいる頃、オーガニックマーケットで働いていた。農業はしていなくて、自宅のベランダのプランターで植物を育てるぐらいだったそう。もともとシェフでもあったリックさんは、ある日、「自分たちで一から手をかけたおいしい野菜を育て、おいしい料理を作りたい」と思った。そして、網地島に来て農業を始めた。
「毎日勉強して、いっぱい失敗することが大事です」とリックさんは言う。今、「6次産業化」に取り組んでいる。6次産業とは野菜の生産、加工、販売を全部自分たちですることだ。そうすることにより、多くの人に網地島の特産品を知ってもらえると考えている。美智枝さんは、「網地島に住む人々がつくった野菜も一緒に売ること、農業体験の場をつくることを通し、島の内外問わずに多くのみなさんとともに網地島を発展させたいです」と話していた。
(福島 文遥)
【取材】千葉 ふうな(大街道小学校4年生)、松川 美桜(二俣小学校2年生)、福島 文遥(Grinnel College1年生、アメリカ合衆国)