宇都宮貴子さんは生まれも育ちも石巻、「アトリエニコ」のパティシエ(※)だ。東日本大震災でお店は全壊してしまったけれど、国内外から訪れた多くのボランティアの人たちに手伝ってもらい新しい「アトリエニコ」を開店した。宇都宮さんは、お客さんの好きなイラストや写真を魔法のようにケーキやクッキーで表現してくれる。
宇都宮さんは小学生のころから本を見ながらお菓子をつくるのが好きで、家族に食べてもらうことが大好きだった。だんだん、小さな子どもたちが気軽に来られるお店を作りたいと思うようになった。今はイラストケーキが人気だけれど、もともとはクッキーが中心だったからクッキーの種類がたくさん。子どもたちのおこづかいで買える値段でいろいろな人気キャラクターのクッキーがあって楽しい。
食べる人の健康を考えてアレルギーが少ないように、素材も大切にしている。「ひとつとして同じケーキはありません。今日しか食べられないケーキがあるのをみなさんにお伝えしたいです」と話す。お客さんからの依頼でイラストケーキをつくり始めたところ、楽しくてカラフルで特別なケーキとしてどんどん注文が入るようになった。「お客さんがいてくれたから、今こうしてケーキ作りやお菓子作りができています。お客さんに育ててもらったと思っています」。子どもたちの喜ぶ笑顔がもっと見たいので、これからもケーキやお菓子を作っていこうと思っている。
※…菓子職人
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◆アトリエニコ
〒986-0858
宮城県石巻市三ツ股 1丁目1-48
☎0225-96-8702
【取材・文】丹野里奈(山下小学校5年生)