大漁旗を再利用した雑貨を販売している「FUNADE studio」。「ものづくり」の力で石巻を元気にしている。
もともとは東京で暮らしていた田中鉄太郎さん。30歳を過ぎたころ、衣食住の仕事をしたいと思い、洋服の仕事をしようと決めた。「日本人だから、和や日本をテーマにしようと京都に引っ越し、ブランドを立ち上げました」。2年たった時、田中さんの人生を大きく変えるできごとが起きた。東日本大震災だ。いてもたってもいられなくなり、石巻に来た。いろいろなボランティアをしたそうだ。
被災地の人たちが将来どうなっていくのかと考えた時、自立することが大切だと思った。仕事があれば、収入を得て、必要とされることで元気にもなる。そこで、洋服づくりの経験を生かし、雇用を生み出すことを決めた。「FUNADE studio」をオープンするまで、1年かかった。
田中さんが大漁旗と出会ったのは、ボランティアをしていた時。倒壊した建物の中にたくさんの大漁旗があるのを見つけ、救出した。大漁旗は色鮮やかで元気をもらえるから、それが地元の人の光になればと思い、商品に使うことにした。「『船出』というのは、新しい生活の始まりという意味もあって、被災地の状況にぴったりだと思いました」。商品の制作をしている主婦、佐藤由紀子さんは、「復興に役立っていると感じながら活動しています」と話す。
昔、石巻の船乗りたちを元気にしていた大漁旗。これからは、石巻のすべての人を明るく元気にしてほしい。
http://funade311.com/