石巻には日本北限のお茶「桃生茶」を作っている農家があり、販売しているのが矢部亨さんだ。今回は、宮城県塩竈市にある「矢部園茶舗」を取材した。
矢部さんは、70年以上続く「矢部園茶舗」の3代目。石巻の「桃生茶」のほかにも、独自にブレンドした緑茶、くきだけを使った香り高いほうじ茶、東松島産「かぐや姫(※)」を使った玄米茶などを販売している。矢部さんの“合言葉”は「お茶しない?」。これはみんなにもっと日本茶を飲んでもらいたいという思いで使うそうだ。 矢部園のある商店街には「覚悟」という大きな看板が立っている。それは東日本大震災による津波で大きな被害を受けた商店街一帯を再開発し再生させ、塩竈のまちを生まれ変わらせるぞ!という覚悟。字は矢部さんが書いた。
矢部さんが考えた「氷水仕立て」というお茶のいれ方がある。この方法でいれると、苦味が少なくなり、香りが立ってお茶の味がはっきりと感じられる。やけどの心配がないから、子どもも、安全にいれることができる。手間がかかるようだが、意外に早くいれられる。ぜひやってみてほしい。
※平成5年、東北地方の大冷害でササニシキが全滅の危機に瀕した時、突然変異し誕生した米
氷水仕立ていれ方
1 茶葉をスプーン2杯いれる
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3 水をきゅうすの半分までいれる
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4 ふたをしめて1分くらいふる
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5 同じ濃さになるように少しずついれる
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6 完成!
【取材・文】丹野里奈(山下小学校5年生)・山田唯歌(釜小学校4年生)