「Reborn-Art Festival」は、「アート」「音楽」「食」を楽しむことができる新しいお祭り、総合芸術祭だ。7月22日から9月10日までの51日間、宮城県石巻地域を中心に開催された。
この芸術祭には草間彌生さんをはじめ国際的に活躍する39人(組)の現代アーティストが参加した。屋内外のさまざまな場所、古い建物や洞窟など地元の人もなかなか行かない場所を選んで作品を展示。作品をおくことで今までの見なれた場所や景色が全く別の新しい空間に変身した。
地元の子どもたちのグループも作品制作に参加。6月から数回にわたりワークショップが行われ、完成した作品は、「貝殻オブジェのテーブル」と名づけられ、8月18日、牡鹿ビレッジ(石巻市荻浜)に展示された。作品のアートディレクターである森本千絵さんは「アートには大きなことを動かす力があることを知ってほしいです」と制作に込めた思いを語った。企画した株式会社Tポイント・ジャパンの瀧田希さんは、「子どもたちがアートを通じて知らなかったことを知り、未来につながる何かを得ることができるよう願っています」と話していた。子どもたちが作った「貝殻オブジェのテーブル」は東京でも展示される予定だ。
現代アートだけでなく、7月28〜30日には音楽イベント「ap bank fes」が国営みちのく杜の湖畔公園(宮城県川崎町)で行われ、Mr・Childrenなど多くのアーティストが出演。会期中は「51日間、どこかで毎日音楽が鳴っているプログラム」が開催され、石巻市、塩竈市、松島町など会場内のさまざまな場所で音楽イベントが行われた。
「食」もにぎわった。芸術祭のために建設された牡鹿ビレッジにある食堂「はまさいさい」では、牡鹿半島の名産を使った地元料理をプロのシェフ監修によりメニュー化。スタッフで最年長の江刺みゆきさん(75)は、「有名な料理人のみなさんに教えていただきすごく貴重な経験でした。雨の日が多くて心配でしたが、県外からもお客さまがたくさん来てくれてうれしかったです」と話していた。
子どもたちの作品制作に参加した住吉小学校6年生の武田彩花さんは「リボーンアート・フェスティバルでは、石巻のいいところや意外なところをたくさん発見できました。もともと美術が好きなので、このように大きなイベントで制作に参加できてうれしかったです」と目を輝かせた。
【取材・文・写真】酒井 理子(門脇中学校3年生)