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缶づめ工場へレッツ・ゴー 木の屋の商品がおいしいわけ

写真提供:株式会社木の屋石巻水産

 木の屋石巻水産は今年で創業60年。社員は約90人。石巻市にあった工場は津波で流され、今は石巻市と美里町に2つの工場がある。災害のリスクを分散するためだ。
 美里町の工場を見学した。工場はクジラの形をしている。地元では「木の屋」と言えば「クジラの缶づめ」というほどクジラのイメージがある。案内してくれた松友倫人さんは、震災の前の年、2010年7月に入社した。それまで薬を開発する会社で働いていたが、木の屋のおいしい缶づめに出会い、「この会社で働いてみたい」と門をたたいた。
 木の屋の缶づめのおいしさの秘密は、材料の新鮮さにある。朝、港で水揚げされた魚は、昼には缶づめになる。漁師さんが魚をつって港に戻る時間はまちまちなので、状況にあわせて魚を仕入れられるのは、港町の強みと松友さんは言う。缶づめに添加物は使わないから体にもいい。賞味期限は3年。実は、賞味期限ぎりぎりのほうが熟成していておいしいそうだ。
 松友さんはつねに一番を目指している。「日本で一番高い山はみんな知っていますよね?では、二番目に高い山を知っていますか?ほとんどの人が知りません。だから、一番を目指し続けることが、いい商品をつくる秘訣です」と教えてくれた。
 東日本大震災の時、倉庫にあった缶づめはすべて泥だらけになってしまった。でも、木の屋の缶づめが好きな人たちが協力して「缶づめだから中身は大丈夫!」と泥を洗い落とし、東京やいろいろなところで売ってくれた。そのおかげでまた工場を建てることができた。
 年に2種類くらい新商品を出している。これからも新しい味つけや、魚の種類にチャレンジして一番を目指す。
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株式会社
木の屋石巻水産
美里町工場
〒989-4206
宮城県遠田郡美里町
二郷字南八丁2-2
☎0229-29-9429
食べてみたい人はこちら
→http://kinoya.co.jp/
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石巻日日こども商店では、木の屋石巻水産のご協力により、缶づめのオリジナルラベルを制作しています。今年の9月ごろ完成予定です。どうぞお楽しみに!

【取材・文】小俣渓志郎(大曲小学校5年生)・西宏夢(釜小学校3年生)

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