今年の目標「やるべきことは、熱意を持ってやり遂げる」
加藤光さんは、高校1年生のときに石巻日日こども新聞に参加した。震災前、石巻のために何かをしたことがなかったので、何かしたいと思ったからだ。
一番心に残っている取材は、神山健治監督へのインタビュー(※注1)。アニメやサブカルチャーが大好きなので、映画監督に取材できてうれしかったそうだ。撮影の裏話も楽しかった。一番大変だった取材は「牡鹿十座より知る
(前編・後編)」(※注2)。神社に行くために、山を登ることが多かったからだ。
今年4月から、東北芸術大学芸術学部美術科日本画コースに進むことが決まっている。2才ごろから絵を描くのが好きだった。本格的にはじめたのは高校2年生の時。将来は学芸員資格と教員免許を取って、絵の先生になることを考えている。「自分はまだまだ未熟。何事も努力が大切」ととても努力家だ。
東日本大震災のときは、家に弟と2人で2階にいて、脱出するのが大変だったそうだ。1階が浸水し、電気・水道は1ヶ月使えなかった。お風呂のボイラーも壊れてしまった。でも、震災は転機になり、心構えも変わった。3年経った今、「被災地」という甘えは通用しなくなる。自分でなんとかしなければいけない。支援への恩返しもしたいと思う。
「悪いことも今なら楽しく思えるので、これからもきっと楽しいと思っています。60歳になったときも、自分の好きなことをして人生を送っていきたいです」。今後の石巻について、人にとってはいい町として栄え、自然が豊かな石巻であってほしいと話してくれた。
※注1:第4号(2012年12月11日発行)に掲載
※ 注2:前編は第6号(2013年1月11日発行)、後編は第8号(2013年12月11日発行)に掲載