記事詳細

天国へ届けたい 被災地の空を泳ぐ鯉のぼり

青い鯉のぼりに下に集まる参加者のみなさん

「青い鯉のぼりプロジェクト」は、東日本大震災で亡くなった子どもたちのために、青い鯉のぼりをあげる取り組みだ。2011年にスタートし、今年も1000匹を超える青い鯉のぼりが空を泳いだ。
伊藤健人さんは、東日本大震災で、母、祖父母、弟を亡くし、家は津波で全て流されてしまった。そのあと、がれきの中から、弟が好きだった青い鯉のぼりを見つけ、自宅があった場所にあげた。
そして4月、仲間たちと一緒に青い鯉のぼりをあげる活動を始めた。それを知った全国の人が青い鯉のぼりを寄贈してくれた。今年は、大曲地区(東松島市)を中心に、市内3カ所で約1600匹の鯉のぼりを掲揚した。がれきの中から見つかった弟の青い鯉のぼりも毎年空を泳いでいる。
「青い鯉のぼりを空にあげることで、自分たちはがんばって生きていると、天国の弟に伝えたいです」と伊藤さんは語る。このプロジェクトを通して出会った人たちとの関係も大切にしたいと思っている。
愛知県のボランティア団体「愛知人」代表の赤池博美さんは、1年目から毎年、参加している。「東日本大震災の被災地のみなさんが、がんばっている姿は、災害で被災した他の地域の励みになります」と話す。
伊藤さんは、この先、何百年と大曲の空に青い鯉のぼりが泳ぎ続けることを願っている。

【取材・文】小俣渓志郎(大曲小学校5年生)、小俣翔太郎(矢本第二中学校2年生)

Copyright (C) Kodomo Mirai Kenkyusho. All Rights Reserved.