コンポーズファクトリー｜ダンボール製スーパーカーもあります！

　コンポーズファクトリーは、今野さんの会社が「こんぽさん」と呼ばれているのと、ファクトリー（ものづくり・工房）が合体してつけられた名前。ダンボールで作られた高級車が展示されているほか、ダンボールの工作キットなどが販売されている。
　2011年、東日本大震災のとき、石巻市の要望で、市内2千人にＬ字型のパーティションを無償配布した。避難所では「いいものだね。ありがとう」という人もいれば、「コミュニティを妨げるパーティションなんかいらないよ」とさまざまな反応があった。もともと宮城県沖地震（1978年）を教訓に震災対策として、10年前から強化ダンボールの「お役立ちパーティション」を独自に開発していたそうだ。2010年に「10部屋のパーティションを作るより、1人用のパーティションのほうがいい」と大学教授からアドバイスを受け、L字型を作った。
　また、ここには強化ダンボールで作られた「ダンボルギーニ」を見にくる人が多い。特に小さい子どもたちに人気。ダンボルギーニは、石巻や女川の震災復興のために自分ができることにチャレンジしたい！という気持ちと、スーパーカーに興味があったから作ったという。
　「石巻と女川にはおもしろいことをする人たちがいて、おもしろい仕事がたくさんあります。次世代に何かを残す、伝える、子どもが『ぼくも私も○○をやりたい！』って感じてもらう、それをここから発信したいです」と、今野さんは熱く語ってくれた。

【取材・文・写真】木村ひな子（桜坂高校１年生）・村松鈴音（門脇中学校２年生）