重い病気の子どもたちを救う「こども病院」と、病気の子どもの家族を支える施設があることを知っていますか?
宮城県立こども病院の院長で理事長の林 富さん、ドナルド・マクドナルド・ハウス せんだいマネージャーの中島 康志さんにお話を聞いた。
宮城県立こども病院は2003年11月11日に開院した。当時の浅野史郎知事が、「どんなにお金がかかっても、子どもには子どもの病院が必要だ」と考え作られた。こども病院は全国に19あるが、東北にはたったひとつだけ。1年に約4500人の子どもが来る。
こども病院には、小児科だけでなく、心の病気を治す科など全部で27の科がある。最近はアレルギー、アトピーの子どもが多いそうだ。
病院で働く人は、医師73人、看護師300人、ボランティア229人など合計で約900人。院内には、こども図書館があり、本が7000冊ある。子どもたちが遊ぶことができる中庭やプレイルーム、「まほうの広場」と呼ばれる大きなポストの形のすべり台がある場所、お菓子の形のエレベーターなど、大人の病院にはないものがたくさんある。夏祭りや花火など楽しいことをたくさんすることもこども病院の大きな特徴だ。時々、ミッキーマウス、野球選手、サッカー選手、バスケット選手たちが訪問し、子どもたちを元気にしてくれるそうだ。林さんは「手術や治療をして20、30年たってからに『こんなに元気になりました!』と会いに来てくれることが、何よりうれしいです」と語っていた。
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こども病院のすぐ近くにはドナルド・マクドナルド・ハウス せんだいがある。
こども病院と同じ2003年11月11日に開設した。「いい日という意味で11日にしたんですよ」と中島さん。マクドナルド・ハウスは、こども病院に入院している子どもたちの家族が安心して滞在できるところだ。世界中に358か所あり、日本には11か所。東北では1か所だけだ。ハウスを利用する人たちのほとんどは県外から来ている。
ハウスの運営は約200人のボランティアスタッフが行っている。10年以上続けている人もいるそうだ。ハウスの中には、ボランティアスタッフによる手作りのものがたくさん置かれていて温かい気持ちが伝わってくる。
「ハウスから自分の家に帰って行く人を見て、退院したのかな、と思うとうれしいです。マクドナルドでハンバーガーを買うときに、レジの横に置いてある募金箱を見たことがありますか?募金箱は家の形をしていて、募金はハウス運営のために使われます」と中島さんが教えてくれた。 みなさん、重い病気で困っている子どもの家族を支えるために、ぜひ、募金をしてください!
【取材・文・写真】佐藤暖華・千葉柚月(蛇田小学校5年生)