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みらいの金華山 第二回

 4年間、今日までボスザルをやってきたのはサッチン。ノリノリで元気がいいメスのサルだった。捕った獲物はみんなで分け合うことになっているが、実は自分だけでえさをとりにいって、かくして自分だけ食べていたことがわかり、ばれてからはみんなから相手にされなくなっていた。身体を壊しやすい体質で、最近はすっかり元気をなくしていた。
 そのサッチンも、今日は最後のボスザルとしての仕事。すっかり元気を取り戻し、ノリノリで司会役をつとめている。
 今年、ボスザル争いに参加する中の有力候補は次の3人だ。サエコはメスザル。頭が冴えている。特に、獲物を探す能力がすごい。キンカサバをとるすごい道具も発明しているらしい。サリオはオスザルで力持ち。とにかく島で今いちばん強い。3人くらいは平気で倒す。最後にオスザルのサトルは、頭もサエコほど冴えていないし、力もサリオには全然かなわない。頭も力もごく普通。しかし、サトルは島の誰よりも友達思いなのだ。獲物がひとつしか捕れなかったら迷わず人にあげてしまう。
 そろそろ1回戦がはじまる時間だ。        (続く)

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