記事詳細

みらいの金華山 第三回

みらいの金華山

 ピーーーーーーーーーーッ「スタート!」いよいよ1回戦が始まった!いっせいにサルたちが海の方へ走って行く。有力候補で力もちのサリオが先頭で、2番目は、友達思いのサトル、3番目は、頭が冴えたメスザルのサエコだ。そして海に着いた。サルたちがいっせいにそれぞれ考えぬいた捕り方でキンカサバを捕り始めた。海に飛び込んだり、近くによってくるのを岸で待ったり、いろいろな方法だ。
 「今、一番キンカサバを捕っているのは…?やはり!サリオですっ!!」
と司会のサッチンが言った。
 「おや?サトルは1匹も、捕っていないようですね。どうしたのでしょう?」
 サトルのバケツには1匹もキンカサバが入っていません。なんと、サトルは何も捕れていないサルたちにわけ与えていたのです。
 「なんと感動的!私はひとり占めしていたというのに。自分が情けないわ」とサッチン。
 「気づくの遅っ!」。近くにいたサルがサッチンに言った。
 結局、1回戦で勝ったのはサリオとサエコになった。すると、サッチンが走って来て、「ダメダメダメ!サトルも入れなさいよ!みんなにあげちゃったけど、30匹以上捕ってたわ!」
 この一声で、サトルも決勝戦に出られることになった。
(続く)

Copyright (C) Kodomo Mirai Kenkyusho. All Rights Reserved.