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みらいの金華山 第八回

みらいの金華山

 着いたところは、アメリカのタイムズスクエアだった。「いったいどうなっているんだ?お母さんと金華山で山登りをしていたはず・・・そうだ!サリオが来て、サリオの彼女が、ぼくのお母さんの変装マスクを付けていたんだ。ということは、本物のお母さんはどこ?こうしちゃいられない。お母さんを探さないと!」とサトルは叫んだ。すると、「ふむ、そういうことか。そういうことなら、このパトリック・マイケル・ウィルソン・ヘイル・スミス・ショーン・エルビー・ジョンソン・メッシ・ジョージ・サルキにお任せだ!」突然、背後から異常に名前の長い青年が現れた。
「名前長いなぁ〜」
「じゃあサルキと呼んでくれたまえ」
「ふん。探偵気取りに何ができるんだ」
「何だと〜、かっこよくて頭のさえたこのボクに、かっこ悪いキミがよくそんなことを言えるな!まっ、いいとして、さっきの話、このボクに聞かせてくれたまえ」
「協力してくれるのならよろしくお願いします!」と急に丁寧なサトル。
「やっとボクのかっこよさに気がついたか」とサルキ。そこでサトルは話し始めた。
「ぼくはお母さんと金華山で山登りをしていて・・・」
それをさえぎってサルキが、「ちょっと待ってくれたまえ。金華山とはどこなのだ?教えてくれ」
「金華山を知らないの?ぼくがボスザルになった島のことだよ。サルならだれでも知っているはずさ」。サトルは自慢げに言った。
「もちろん!知っていたとも。このアメリカ合衆国が誇るハワイ島のことだろ。知らない人など、どこにもいないだろう」と、なんだか話が通じない。

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