「金華山は金華山だよ!日本にある島だって、何回言わせるんだ!」
サトルは話し始めた。もちろん、カツ丼には手をつけていなかった。
「日本なら知ってるとも。ぼくは日本で生まれ育ったんだから。それよりカツ丼は食べないのか?」
「食べるとも」
サトルはカツ丼を食べてみることにした。
「いただきます。ゔぅぅ、お腹が痛い。救急車を呼んでくれ」と言うと、サトルは倒れてしまった。
◇ ◇ ◇
「ここはどこだ」
「気がついたか。ここは病院だ。お前がなぜ倒れたのかは分からないがぼくのカツ丼は美味しかっただろ?」
サルキは自分のカツ丼でサトルが倒れたことに気づいていない。
「はっきり言う。マズかったぞ。色からしてまずそうだろ。まぁいい。さっきのことを聞かせてくれるかい?」
「いいとも。始めから話すぞ。さっき言ったように、ぼくはもともと日本で生まれ育ったんだ。まぁ、お父さんはアメリカ人だけどな。5年前、ぼくが海で溺れていた時、どこからか青年が来たんだ。彼はぼくをここまで連れて来てくれた命の恩人なんだ。会ってお礼をしたいよ。まぁ、名前も知らないがな」
「じゃあ、一緒に金華山に行こう!サルキの命の恩人は金華山にいるサルかもしれない!」
こうして、サトルとサルキは金華山を目指すことになった。
(続く)